「公共職業訓練」には、シニア向け講座も多数あり!
定年退職後に、再就職を考える場合、「公共職業訓練」を利用するというのも選択肢の1つです。
公共職業訓練は、原則として失業給付を受給している人を対象に、国が就職に求められるスキルの習得を支援する制度。受講料は無料で、教材費のみを実費で負担します。公共職業訓練の中には、シニア向けのコースを開講しているところもあり、定年後の再就職を目指す上で必要なスキルを学べます。
例えば、下記の[図表1]は、東京都内の公共職業訓練校である「都立職業能力開発センター」が実施する、概ね50歳以上の人を対象とした職業訓練コースの科目一覧です。
造園業に役立つ「庭園施工管理科」、ビル管理に役立つ「ビル管理科」「電気設備管理科」など、8コースがあります。
◆再就職に役立つ無料職業訓練コース
定年退職後の再就職に役立つスキル獲得のため、次のような無料職業訓練コースが挙げられます。
◆職業訓練校での学びをベースに就職する
公共職業訓練校では、入校選考として筆記試験と面接があります。合格すれば、無料で受講でき、修了後は学んだスキルを活かし、就職活動を有利に展開できます。

早めの転職で良好なキャリアが築ける
定年退職後に再就職する際には、長く働けることを念頭に戦略的かつ早めに動くことも重要。[図表3]は、マンションの管理人として再就職した3人の例です。
継続雇用せずに退職したCさんは、60歳からマンション管理人のキャリアを積んだ結果、キャリアを買われて70歳以降も仕事を継続。一方、継続雇用したAさんとBさんは、第2のキャリアづくりが遅れ、結局70歳までしか働けませんでした。早い段階で戦略的に再就職したCさんの方が結果的に老後の生活費を稼げています。
65歳以降も長く働きたい場合には、正社員にこだわらず、早めに転職することが功を奏することもあるようです。
◆長く働くために「第2のキャリアづくり」を早めに行うことも大切
60歳からマンション管理人のキャリアを積み、結果的に70代も働けて、収入的にはお得だったという事例も!
福地 健
ファイナンシャル・プランナー
社会保険労務士事務所 あおぞらコンサルティング顧問
(株)近代セールス社前代表取締役社長
CFP®(日本FP協会元理事)
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