年金を増やしたい人!…60歳以降「年収312万円×5年」の就労で、生涯〈年間8万5800円〉の年金がプラスに【年収・働く年数別の年金増額早見表つき】

年金を増やしたい人!…60歳以降「年収312万円×5年」の就労で、生涯〈年間8万5800円〉の年金がプラスに【年収・働く年数別の年金増額早見表つき】
(画像はイメージです/PIXTA)

多くの人が関心を持っている「年金」の問題。60歳以降であっても、会社員等として就労して厚生年金に加入すれば、将来の受給額を増やすことが可能です。どのくらい働くといくら増えるのか、具体的に見ていきましょう。※本記事は『いちからわかる! 定年前後のお金と手続き 得する働き方・暮らし方ガイド 2023-2024年最新版』(インプレス)から抜粋・再編集したものです。

増える年金額を確認して「老後の働き方」を考える

近年では、60歳の定年後も働き続けることが当たり前になりつつあります。60歳以降も働くことで、年金受給までの収入を得られるだけでなく、将来受け取る年金額を増やすこともできます。

 

国民年金の場合は、原則60歳までしか加入できませんが、厚生年金の場合は、会社員などで在職していれば、70歳になるまで加入可能。つまり、定年後のもうひと頑張り次第で、老齢厚生年金の受取額を増やすことができるのです。

 

仮に、定年後もリタイアせずに働き続けることで、どのくらい年金が増えるのか?[図表1]の計算式を使って、増額する老齢厚生年金の概算金額を試算してみましょう。

 

例えば 60歳以降、年収312万円で5年間働くと、増える年金額は1年間あたり8万5800円。それほど多く感じないかもしれませんが、この金額が生涯増額されて受け取れます。65歳から80歳まで、15年間受け取る場合、 総額で約128万円増やせます。

 

パートなどの短時間労働者でも月額8万8000円以上の賃金がある場合、要件を満たせば厚生年金に加入できます([図表3]参照)。もちろん、事業所の規模や勤務時間によっては加入できない場合もありますが、少しでも年金額を増やしたいなら、厚生年金に加入できる職場、働き方を選ぶとよいでしょう。

 

60歳以降も働くことで、老齢年金を受け取るまでの定期的な収入を得られるだけでなく、働いた分、年金額が増え、老後の備えが充実するという点にも注目して、定年後の働き方を考える視点も大切です。

 

◆働くことで増える年金額を算出する方法

【STEP1】 ねんきん定期便から60歳時の老齢厚生年金額を書き出す 

 

【STEP2】 60歳以降に働く場合の年収と年数を記入 

 

【STEP3】 65歳から受給する老齢厚生年金額を計算 

 

[図表1]年金額の算出例

 

◆年収・働く年数別の年金増額早見表

年金受給開始までの5年間の無収入期間を埋めるために働くという選択も!

 

[図表2]年金増額早見表

 

 ★短時間労働者でも厚生年金に加入して年金増額!★ 

アルバイトなど、短時間労働者でも、一定の条件を満たせば厚生年金などの社会保険の加入対象です。

 

2022年10月からは、従業員数101人以上の企業で働く人も対象となりました。さらに2024年10月から、51人以上の企業に拡大予定。将来の年金額が増えるチャンスといえます。

 

[図表3]社会保険の加入要件

 

 

福地 健
ファイナンシャル・プランナー
社会保険労務士事務所 あおぞらコンサルティング顧問
(株)近代セールス社前代表取締役社長
CFP®(日本FP協会元理事)

 

 

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いちからわかる! 定年前後のお金と手続き 得する働き方・暮らし方ガイド 2023-2024年最新版

いちからわかる! 定年前後のお金と手続き 得する働き方・暮らし方ガイド 2023-2024年最新版

福地 健 監修

株式会社インプレス

世の中の物価高で年金受給額が目減りする中、定年後も継続して働き、いかに年金受給額を増やしていくかライフプランの策定は急務。 本誌では、退職時に必要な手続きを「リタイアしてアルバイト生活」「雇用継続」「再就職」…

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