【失敗しない老人ホーム選び】「ご自分の親を入れたいですか?」…施設長やスタッフの回答で見分ける「安心できる施設」のサイン

【失敗しない老人ホーム選び】「ご自分の親を入れたいですか?」…施設長やスタッフの回答で見分ける「安心できる施設」のサイン
(※画像はイメージです/PIXTA)

親の介護が始まった。突然のことなのでどこへ行けばいいのか分からない…。介護保険の手続きは? 親が施設への入居を拒んだら? 親が施設で虐待を受けてしまったら…。など、介護を受けている本人とその介護をする家族のための「介護で困ったときの解決法」を、弁護士で介護ヘルパーの資格を持つ、外岡潤氏の著書『弁護士 外岡潤が教える親の介護で困った時の介護トラブル解決法』(本の泉社)から一部抜粋転載して紹介します。

3.見学するときは、特定の人の印象に囚われない

施設を見学するときに、説明してくれる担当者と意気投合したとか、働いているスタッフで好感の持てる人がいたからという理由で決めてしまうのはおすすめできません。

 

なぜなら、組織で働いている以上、そのスタッフが異動したり、退職したりすることはよくあるからです。さらに、企業体が運営する施設の場合には、会社ごと変わってしまうことも珍しくありません。

 

施設見学で見るべきポイントとは、「施設全体の雰囲気」です。

 

疲れた表情のスタッフがいないか、すみずみまで清潔にしているか、悪臭はしないか、手のかかる人にも分け隔てなく丁寧に接しているか、といったことです。

 

また、究極の質問ですが、 施設長や担当の人に「あなたはここの施設にご自分の親を入れたいですか?」「ご自身は入りたいですか?」と聞いてみるのもいいでしょう。曇りのない表情で自信を持って「はい」と答えられるか、「実際にスタッフの親御さんがここに入居しています」などという答えだったら、安心できるかもしれませんね。

 

気に入った特養を見つけたら

気に入った特養を見つけたら、まずはそこを運営している社会福祉法人※1(社福) のグルーブ事業所であるデイサービス※2やショートステイ※3を利用しておくという手が考えられます。

 

複合型といって、特養の建物のなかにさまざまなサービスが入っている場合がありますが、 デイを使い馴染みになっておくことで、入居手続もスムーズになることでしょう。

 

入居先が決まらず、先の見えない不安に押しつぶされそうになる時もあるかもしれませんが、どうか悲観的にならないでください。切羽詰まったときは、緊急ショートステイ※4といって優先的に施設を利用させてもらえる制度もあります。

 

「なんとかなる」 「なるようにしかならない」という心構えで、ひとつひとつ進めていきましょう。

 

 

<注釈>

※1「社会福祉法人」とは……社会福祉事業を行うことを目的として設立する民間企業。社会福祉事業としては更生施設、支援施設、児童福祉施設(保育園)、高齢者福祉事業など。

 

※2「デイサービス」とは……「通所介護」といわれるもので、利用者は日中介護施設に通い日帰りで介護サービスを受けられる。要介護度1~5の人が対象。

 

※3「ショートステイ」とは……自宅での介護が仕事や病気などで一定期間できなくなったとき、その期間だけ在宅介護を受けている高齢者を老人ホームや介護施設が受け入れること。

 

※4「緊急ショートステイ」とは……利用者の状態や家族などの事情により、ケアマネージャーが、 短期入所生活介護(ショートステイ)緊急におこなうことができる。

 

 

外岡 潤

「弁護士法人おかげさま」代表

弁護士

 

弁護士 外岡潤が教える親の介護で困った時の介護トラブル解決法

弁護士 外岡潤が教える親の介護で困った時の介護トラブル解決法

外岡 潤

本の泉社

親の介護が始まった。突然のことなのでどこへ行けばいいの?介護保険の手続きは?親が施設への入居を拒んだら?親が施設で虐待を受けている!?訴えたら勝てる? など、介護を受けている本人とその介護をする家族のための介護…

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