離婚争いを激化させる祖父母…
離婚の争いを激化させ、面会交流を困難にする大きな要素に、父母の背後にいる援助者たる親族、とくに子どもの祖父母の影響があります。もし、同居親の援助者である子どもの祖父母が、別居親をとことん排除しようとし、子どもが別居親と面会交流するのを妨害したりすると、大きな悲劇が起こります。
そこには、いわゆる嫁―姑問題、婿―舅問題にとどまらない、もしかしたら何世代にもわたって同居親の家族に受け継がれてきた問題がうかがえることがあります。
たとえば、①同居親とその両親(多くの場合は娘である同居親とその母親)が密着関係にある、②同居親の両親が非常に支配的である、③同居親の両親の不和など家族が崩壊している、④同居親の両親が子ども(同居親)や孫に異常に執着している、⑤他者からは理解できないほどに高い“家(家門)”に対してのプライド、などです。
「内孫」や「外孫」などの言葉があり、「里帰り」や「出戻り」が珍しくない日本では、子どもは「○○家のもの」であるという感覚も、根強くあります。また、「○○家のもの」である子どもを立派に育て上げるのは「○○家の者をおいてほかにはない」という思いもあるでしょう。
そもそも別居親を「どこの馬の骨とも知れない輩が、家の大事な娘・息子をたぶらかした」と考えており、「できれば娘・息子を取り戻したい」と、機会を狙っていることもあります。
すでに社会的にリタイアし、時間や金銭に余裕があったりする子どもの祖父母の影響は絶大なものがあります。そんな子どもの祖父母が、老後の生きがい、もしくは現役のときにはできなかった理想の子育てのやり直し、または別居親への仕返しとして、孫育てに没頭し、別居親を遠ざけることも珍しくありません。