(※画像はイメージです/PIXTA)

近年、日本各地で、初夏から秋にかけて集中豪雨の被害が相次ぎ、激甚化しています。地球温暖化の影響とされ、今後も長期的に続くとみられているので、被害に遭ったときのための備えが重要です。そこで、集中豪雨等により自宅が被災した場合に、建て替えや補修にかかるお金をどこまで公的補償でまかなえるのか、「被災者生活再建支援制度」と「住宅の応急修理」の2つの給付の制度を中心に、融資の制度にも触れながら解説します。

2つの「公的融資」の制度

以上が給付の制度ですが、参考までに、公的融資の制度も2つ紹介しておきます。いずれも利息があり、かつ、条件も限られています。

 

◆災害援護資金

災害により住居・家財に被害を受けた場合や負傷した場合には、350万円を限度とした「災害援護資金」の貸付の制度があります。

 

内閣府資料「災害援護資金の概要」より
【図表】災害援護資金の貸付限度額の内訳 内閣府「災害援護資金の概要」より

 

また、所得制限があります。これは、世帯人員ごとに、市町村民税の前年の所得を基準とします。

 

【災害援護資金の所得制限】

・世帯人員1人:220万円(住居滅失の場合は1,270万円)

・世帯人員2人:430万円(住居滅失の場合は1,270万円)

・世帯人員3人:620万円(住居滅失の場合は1,270万円)

・世帯人員4人:730万円(住居滅失の場合は1,270万円)

・世帯人員5人以上:730万円+30万円×(世帯人員-5人)(住居滅失の場合は1,270万円)

 

利率は「年3%」ですが、実際には自治体ごとの条例により1%程度に抑えられていることが多くなっています。なぜなら、災害援護資金の法的根拠である「災害弔慰金の支給等に関する法律」が1973年に制定された古い法律で、改定されていないためです。

 

また、無利子の「据置期間」(3年または5年(特別の場合))があります。

 

◆災害復興住宅融資

災害復興住宅融資は、住宅金融支援機構による低利の融資の制度です。

 

住宅を再建、購入、補修する場合に、それぞれ、以下の限度額について低利で融資を受けることができます。

 

【建設】

・土地を取得する場合:3,700万円

・土地を取得しない場合:2,700万円

 

【購入】3,700万円

 

【補修】1,200万円

 

なお、年収ごとに、年収に占めるすべての借入の年間合計返済額の割合(総返済負担率)が以下のように定められています。

 

・年収400万円未満:30%以下

・年収400万円以上:35%以下

 

金利は月ごとに改定され、2023年7月1日現在、年1.02%~1.22%です。団信に加入しているか否か、および団信に加入している場合は団信の種類に応じて異なります。

 

また、個別の災害・地域ごとに特別の利率が定められることがあります。

まとめ

公的な補償には、給付の制度として「被災者生活支援金」「住宅の応急修理」があります。また、その他に「融資」の制度もあります。

 

しかし、金額には上限があり、あくまでも最低限度のものにすぎないので、足りない部分については「火災保険」によって補うことをおすすめします。

 

特に、集中豪雨のような風水害に対しては、「水災」の補償を備えることが大切です。自分の住所について「ハザードマップ」を確認し、もし、洪水や土砂崩れの可能性があるのであれば、「水災」の補償を備えることは必須といえます。

 

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録
会員向けセミナーの一覧