iDeCoを受け取る際には、退職金の受け取りとの兼ね合いを考慮する必要があります。受け取り方を誤ってしまうと、支払う税金が数十万円変わることも……。本記事では、FPの横山光昭氏の著書『知識ゼロですが、つみたてNISAとiDeCoの次はどんな投資をすればよいですか。』(インプレス)より、iDeCoと退職金の受け取り時の注意点について解説します。

iDeCo、つみたてNISAはいつ受け取ればいい?

投資初心者

老後に取り崩すといっても、具体的に何歳からもらえばいいでしょうか。60歳? 65歳?

 

横山FP

目安になるのは、公的年金の受給開始時期。国民年金や厚生年金の加入者は、原則65歳から老齢年金がもらえる。もし60歳で退職していたら、65歳の年金受給までの生活費は貯蓄で補う必要があるから、この期間に取り崩しを始めるのがいいね

 

投資初心者

65歳まで働く可能性もありますよね。平均寿命も延びているみたいですし。

 

横山FP

そうだね。 長く働く人は給与がある分、すぐに取り崩す必要はないよ。それから、公的年金は受給開始時期を遅らせる (繰り下げる)と、もらえる年金額が増額するんだ。ひと月遅らせるごとに1年にもらえる年金額が 0.7%増える。75歳まで繰り下げると、最大84%の増額になるね。

 

2022年12月発行『知識ゼロですが、つみたてNISAとiDeCoの次はどんな投資をすればよいですか。』
[図表1]公的年金は繰り下げると増額する 2022年12月発行『知識ゼロですが、つみたてNISAとiDeCoの次はどんな投資をすればよいですか。』

 

投資初心者

65歳まで働く人は、なるべく年金を繰り下げて、その期間に投資信託を売却したり、iDeCoの受け取りを始めたりするのもアリってことですね!

 

横山FP

そういうこと。ただし、老齢年金は、何年もらえるかわからないよね。早めに受給し始めたほうが、生涯の受給総額が多くなる人もいる。無理に繰り下げるよりも、生活の状況に合わせてもらい始めよう。

 

2022年12月発行『知識ゼロですが、つみたてNISAとiDeCoの次はどんな投資をすればよいですか。』
[図表2]公的年金のない期間に受け取る 2022年12月発行『知識ゼロですが、つみたてNISAとiDeCoの次はどんな投資をすればよいですか。』

 

<注釈>

・「公的年金」とは……国が運営する年金制度を指す。日本では20歳以上60歳未満のすべての国民に加入が義務づけられており、すべての国民が加入する「国民年金」と会社員や公務員が加入できる「厚生年金」がある。

 

・「老齢年金」とは……原則65歳以降になると受けとれる年金のこと。公的年金には老後にもらえる老齢年金のほか、障害時に受け取れる「障害年金」、被保険者が死亡すると遺族が受け取れる「遺族年金」がある。

 

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※本連載は横山光昭氏の著書『知識ゼロですが、つみたてNISAとiDeCoの次はどんな投資をすればよいですか。』(インプレス)より一部を抜粋・再編集したものです。

知識ゼロですが、つみたてNISAとiDeCoの次はどんな投資をすればよいですか。

知識ゼロですが、つみたてNISAとiDeCoの次はどんな投資をすればよいですか。

横山 光昭

インプレス

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