総務省と経済産業省による『経済センサス活動調査』によると、日本には367万もの会社があり日本標準産業分類で大きく20の業種に区分されます。業界ごとに、取り巻く環境はさまざま。それぞれの業界のトップ企業と、給与事情についてみていきましょう。今回、焦点を当てるのは「携帯電話キャリア」。

規模にかかわらず給与水準の高い情報通信業界

厚生労働省『令和4年賃金構造基本統計調査』によると、会社員(男女計、学歴計、産業計)の平均給与は月31万1,800円(所定内給与額)、賞与も含めた年収は496万6,000円。一方、情報通信業の平均給与は月収で44万4,700円、年収で678万6,000円と、年収で180万円ほど上回ります。

 

企業規模(大企業:従業員1,000人以上、中企業:従業員100~999人、小企業:従業員10~99人)による給与差をみていくと、大企業の給与は月収で中企業の1.15倍、小企業で1.22倍、年収では中企業の1.22倍、小企業の1.38倍、というのが平均値です。

 

情報通信業界をみていくと、大企業の給与は月収で中企業の1.2倍、小企業の1.1倍、年収では中企業の1.24倍、小企業の1.36倍。

 

ほとんどの業界では月収も年収も「大企業>中企業>小企業」という構造ですが、情報通信業界における月収は「大企業>小企業>中企業」と、中企業・小企業の間で逆転現象が起きています。なお、賞与も含めた年収では「大企業>中企業>小企業」の並びとなり、大企業の賞与水準の高さがうかがえます。

 

全産業の中でも平均給与の高い情報通信業界への転職は、企業の規模にかかわらず、年収アップを実現する可能性を秘めているといえそうです。

 

「副回線サービス」により通信の安定性が高まる携帯キャリア

携帯キャリア界隈でキーワードになっているのが「副回線サービス」です。

 

NTTドコモは23年6月より、災害時や通信障害発生時に副回線のau回線に切り替えて通信を行えるサービスを開始しました。ソフトバンクはau回線を、KDDIはソフトバンク回線に加え、23年6月以降はNTTドコモの回線も利用できるようになっており、通信インフラとしての安定性は高まっています。

 

2020年に携帯電話事業に参入した楽天モバイルは、借り入れや社債の発行を通じ基地局の新設等に1兆円を超える投資を行ってきましたが、24年以降の社債の大量償還開始を前に財務改善の緊急度が高まり、23年5月には基地局の建設計画を先延ばしにする旨を発表しました。上位3社と比べ、自前の通信環境の整備には課題が残りますが、KDDIとの約3年間のローミング契約によって当面の通信品質は担保される見込みです。

 

クレジットカードや証券、銀行等、グループ全体でユーザーを囲い込める「楽天経済圏」の強みを活かし、23年3月末時点で約454万件としている携帯電話の契約者数を伸ばせるかどうか、その動向に注目です。

 

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