資産運用の大事な3つのキーワードってなに?
投資でお金を失う可能性は、ゼロにはできません。しかし、「長期」「積立」「分散」投資を行えば、堅実に増やす期待ができます。
「長期」投資とは、長い時間をかけて投資を行うことです。数十年という長い期間で投資をすれば、リスクを抑えて投資できますし、複利の効果も生かしやすくなります。
「積立」投資とは、一定額を一定のタイミングでコツコツと投資することです。たとえ1回の投資は少額でも、積み重なると金額が大きくなります。
また、商品の価格にかかわらず一定額ずつ買うことで、平均購入単価を押し下げる「ドル・コスト平均法」の効果があるため、利益を出しやすくなります([図表1]参照)。
金融庁は、「長期」・「積立」・「分散」投資を行うことで、年平均4%のリターンが得られると試算しています([図表2]参照)。
今後もこうなるか保証はできませんが、預金よりもずっと増やせる可能性が高いといえます。
■チェック!
長期・積立・分散投資を行うことで、お金を失う可能性を減らし、堅実に増やす期待ができます。
分散投資でポートフォリオを組む最大の理由は?
投資の市場に参加しているのは、私たち個人だけではありません。銀行・生命保険会社・損害保険会社・年金・ヘッジファンドといった機関投資家も、市場に参加しています。
機関投資家が行う運用は、「お金を減らさずに増やす」運用です。過去の研究から、運用成績の9割はどの資産にどんな割合で投資するかという「資産配分」で決まることがわかっています。
そこで、機関投資家は資産配分のルールを決め、それを守りながら投資を行っているのです。
日本にある世界最大の機関投資家、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)は、年金積立金を運用で増やし、将来の年金の支払いにあてます。
お金を大きく減らして、年金がなくなったら大変ですから、堅実なポートフォリオを組んで、減らさず増やす運用を実践しています([図表3]参照)。
その結果として、2001年度~2022年度末の期間において、収益率は「+3.8%/年」、累積の収益額は「+98兆円」と非常に高い実績を挙げています[図表4]参照)。
自分のリスク許容度に合わせ、時間をかけて資産配分を決めましょう。機関投資家の資産配分を真似するのもいいでしょう。
■チェック!
運用成績の9割が資産配分で決まります。自分のリスク許容度に合わせて、どの資産を組み合わせるのかに一番時間をかけましょう。