ブドウ糖(グルコース)
単糖類の中で、自然界に最も多く存在するのが「ブドウ糖(グルコース)」。
果物のぶどうから発見されたことから命名された。他の単糖類と結びつくことで「ショ糖」「乳糖」「デンプン」などを構成する、糖質の主役のような存在だ。
摂取された糖質の多くは、最終的にはブドウ糖に分解され、エネルギー源として利用される。また、脳がエネルギーとして利用できる物質であることからも、欠かせない栄養素だといえる。
余ったブドウ糖は脂肪細胞で貯蔵される
血液中でブドウ糖は「血糖」として存在し、インスリンの働きで濃度がコントロールされている。血中のブドウ糖濃度が上がるとインスリンにより中性脂肪に変わり、脂肪細胞に蓄えられてしまうため、過剰摂取に要注意だ。
■バズーカメモ
糖質は、タンパク質や脂質よりも早く分解・吸収されることが特徴。激しい運動で消耗した際に糖質を過剰に摂取すると、インスリンの大量分泌で血糖値が低くなりすぎる「インスリンショック」が生じるが、適量を適切に摂取し素早くエネルギーを補給することで、血糖値も上げることができる。
果糖(フルクトース)
「果糖(フルクトース)」は、果物に多く含まれる栄養素。
単糖類であるため消化・吸収は早いが、物質を輸送する「輸送担体」が異なることから、ブドウ糖と比べるとやや遅い。
吸収された果糖は肝臓へ運ばれ、酵素「フルクトキナーゼ」によって「フルクトース-1-リン酸」に変わり、解糖系に組み込まれる。このフルクトキナーゼはインスリンの影響を受けないため、果糖はブドウ糖よりも早く代謝される。
■バズーカメモ
代謝の早い果糖は肝グリコーゲンとなり、余剰分が中性脂肪に変わりやすいので気をつけよう。
ガラクトース
単糖類の1つ「ガラクトース」は、乳製品から摂取できる栄養素。
自然界にある食材では単独で摂取できないことが特徴で、「ガラクトースを摂る=乳製品を摂る」と理解していい。
ガラクトースとブドウ糖が結合してできる二糖類の「乳糖」は、摂取されると小腸で酵素「ラクターゼ」により分解され、肝臓に流入する。肝臓で代謝された後はグリコーゲンに変わり、エネルギー源として機能する。
■バズーカメモ
ガラクトースは乳製品に含まれる乳糖から摂取するため、乳糖不耐症の人は下痢を引き起こしてしまうことがある。
岡田 隆
日本体育大学体育学部
教授・ボディビルダー