「50歳からの資産形成」で「投資詐欺」に騙されないために…知っておくべき「利回りの常識」と「詐欺師の手口」【専門家が警告】

「50歳からの資産形成」で「投資詐欺」に騙されないために…知っておくべき「利回りの常識」と「詐欺師の手口」【専門家が警告】
(※写真はイメージです/PIXTA)

銀行にお金を預けても利率が低すぎて増えず、インフレも進行していることから、老後資金確保のため、50歳からでも投資による資産形成を始めることが急務になっています。しかし、投資初心者は詐欺師に狙われやすく、投資詐欺の被害が後を絶ちません。防ぐにはどうすればよいのでしょうか。『1冊でまるわかり 50歳からの新NISA活用法』(PHP研究所)の著書があるセゾン投信創業者の中野晴啓氏が解説します。

ここ数年で投資詐欺が増加傾向にあるといえるワケ

実際、昨年あたりから、詐欺的な投資商品を勧めた業者が、その投資商品を購入した人たちから訴訟を起こされたり、なかには検挙されたりした事案も複数、ニュースなどで報じられています。

 

毎年どのくらいの人たちが投資詐欺に引っ掛かっているのかについては、警察庁のデータを見るとすぐに分かります。

 

「警察庁 生活経済事犯」で検索してみてください。生活経済事犯とは、利殖勧誘事犯や特定商取引等事犯、ヤミ金融事犯など、私たちが日常生活を送るなかで直面するリスクのある犯罪のことです。

 

その被害額などの統計が、警察庁のホームページに掲載されています。

 

さまざまな事件の項目のうち「利殖勧誘事犯」が投資詐欺に該当します。2022年の被害額は157億1,050万円で、前年の1,110億1,857万円に比べて大幅減になっています。

 

ただ、1件あたりの被害金額が大きな詐欺があると一気に増えるので、被害金額の多寡のみで、被害件数が増えているのかどうかの傾向を把握するのは困難です。

 

そこで、利殖勧誘事犯の相談受理件数を見ると、2018年は1,330件でしたが、2022年は2,584件と、大幅に増えています。相談受理件数とは、投資詐欺に遭ったと思った人たちが警察に相談した件数です。

 

それが右肩上がりで増加しているのは、それだけ投資詐欺に遭ったことを自覚している人が増えていることを意味します。この数字の増え方を見る限り、やはり投資詐欺はここ数年で増加傾向にあるのではないかと推測できます。

 

 

中野 晴啓

セゾン投信創業者

 

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1冊でまるわかり 50歳からの新NISA活用法

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中野 晴啓

PHP研究所

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