いつも落ち着きがなかったり、突然走り出してヒヤヒヤしたり。そんなお子さんの行動に悩まされている親御さんも多いのではないでしょうか。子どもの10人に1人は発達障害といわれていますが、そのひとつADHD(注意欠陥・多動性障害)は、その特性や接し方のコツ、専門機関に相談するメリットなどを公認心理師のしょう先生にお伺いしました。
10人に1人が発達障害…公認心理師に聞く「ADHD」の困りごとや接し方のコツ ※画像はイメージです/PIXTA

 

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子どものADHD(注意欠陥・多動性障害)とは?

じっとしていることが難しい、衝動的にパッと行動してしまう、気が散りやすく集中力が持続しない。このような症状によって生きづらさや困難を感じる子どもがいます。これはADHD(注意欠陥・多動性障害)と呼ばれる発達障害によって現れる症状です。

 

ADHDの特性が現れ始める年齢は一人ひとり異なりますが、早い子で2歳くらいから見られるようになります。普段の様子から親御さんが気づいたり、園の先生から指摘を受けて専門機関や医療機関を受診することが多いようです。

 

ADHDによる困りごとがはっきりと顕在化してくるのは、小学校入学以降になります。本格的な集団行動がスタートしてから本人が困る場面が増えてくると考えられます。

 

ADHD(注意欠陥・多動性障害)の3つのタイプ

どのような症状が強く出るかによって、ADHDは大きく3つの特性にタイプ分けすることができます。

 

①「多動性・衝動性」が強く現れるタイプ

②「不注意」が強く現れるタイプ

③「多動性・衝動性」「不注意」混合タイプ

 

ある特性だけが強く出る子もいれば、すべての特性が見られる子もいます。お子さんがどのタイプかを知ることで大まかな特性の理解にはつながりますが、タイプにとらわれすぎてしまうことにも注意が必要です。まずは目の前のお子さんの困りごとや、実際に現れている症状に目を向けることが大切だと私は考えています。

 

ADHD(注意欠陥・多動性障害)の子どもの特徴・行動

①「多動性・衝動性」が強いタイプ

じっとしていることが難しく、すぐに動きたくなってしまうのがこのタイプの特徴です。保育園・幼稚園や学校などでも、長時間座っていることが難しく、席から立って歩き出してしまいます。

 

また衝動性は行動だけではなく、言動にも現れます。思いついたことをすぐに口にしてしまったり、人の話をさえぎって自分の話を始めてしまうので、周りの子とのトラブルになってしまう場合もあります。

 

②「不注意」が強いタイプ

気が散りやすく集中力が持続しにくいため、勉強や宿題にじっくり取り組むことが難しい、興味関心が薄いことに対して注意が向きにくいという困りごとがあります。また忘れ物や失くし物が多い、片付けが苦手、人の話を聞いていないといったこともよく見られます。

 

「多動性・衝動性」「不注意」混合タイプは、①と②の両方が困りごととして現れます。