多くの親御さんにとって子育て初期の山場となるのが離乳食。思うように食べてくれないお子さんに苦労している方も多いのではないでしょうか。せっかく作った食事をベーっと吐き出されることの切なさと言ったら…。そこで今回は栄養分子学アドバイザーあいかさんに、離乳食を口から出してしまう理由やその対処法について伺いました。
せっかく作ったのに…「離乳食」ちゃんと食べるようになる対策【栄養分子学アドバイザーの解説】 ※画像はイメージです/PIXTA

離乳食を始めるサインは?

①:食べ物に興味を示すようになる

②:よだれの量が増える

③:支えてあげれば座ることができる

 

お子さんにこのような様子が見られたら、離乳食を始めてもいい頃になります。これが一般的には5ヵ月から6ヵ月頃と言われていますが、サインが現れなくても決して慌てる必要はありません。お子さんの状態に合わせて離乳食を始めてあげることが大切です。

離乳食の進め方は?

離乳食は初期、中期、後期、完了期と4段階に分けて進めていきます。それぞれの段階の目的と食べ物の固さをご紹介します。

 

■初期/ごっくん期

ごっくん期と呼ばれる初期は、母乳やミルク以外のものを飲み込む練習をします。お米や野菜、お肉、魚などもできるだけなめらかなペースト状にして飲み込む練習をさせてあげましょう。

 

■中期/もぐもぐ期

もぐもぐ期と呼ばれる中期は、舌を使って食べ物を潰す練習をします。大きさはみじん切りくらいで、舌で潰せるくらいの柔らかさにしたものを与えてあげてください。

 

■後期/かみかみ期

かみかみ期と呼ばれる後期は、歯が生える前の歯茎で食べ物をかじりとったり、少し固めのものを噛む練習をします。お子さんによっては手づかみ食べに興味を示し、自分で口に食べ物を運ぶことができる子も出てきます。食べ物は歯茎で潰せるくらいの固さが目安です。

 

■完了期/ぱくぱく期

ぱくぱく期と呼ばれる完了期は、幼児食への移行の期間です。食材の大きさも1cm角くらいからもう少し大きめのものまで、自分の手で持ってかじり取って食べられる子が増えてきます。きゅうりのようなシャキシャキする食感のものも楽しめるようになり、食べ物のバリエーションが広がっていきます。

 

補完食の考え方も参考に

WHO(世界保健機構)が乳幼児向けの食事のガイドラインとして「補完食」というものを提唱しています。補完食とは、母乳だけでは不足する栄養を補うための食事のことです。従来の離乳食の考え方と似ている部分もありますが、離乳食と比べると食材のルールが柔軟です。食事回数も初期のころから2回が推奨されていたりと、柔軟に対応ができます。

 

日本の離乳食の進め方はとても細かく決められているため、思うように進まないと不安に思う方もいらっしゃいますが、実はもっと柔軟に考えてもいいということを覚えておくと親御さんの気持ちも楽になると思います。

 

離乳食を口から出してしまう理由と対処法

お子さんによってさまざまな理由があると思いますが、大きくは次の2つが考えられます。

 

■離乳食の固さがイヤ。飲み込めない

比較的初期の頃に多いのが、うまく飲み込めなくてベーっと出してしまうパターンです。その子の発達段階に合わせた柔らかさや形状にしてあげてください。

 

■離乳食の味がイヤ。苦い、酸っぱい

赤ちゃんは本能的に酸味や苦味を嫌います。そのような味が強い食材は赤ちゃんがびっくりして出してしまうことが多いと思います。この場合は、出汁などで少し旨味を足してあげたり、粉ミルクなどでポタージュ状にして、苦味や酸味を和らげてあげると食べてくれるかもしれません。

 

口の中に指を入れて離乳食を出してしまう理由は?

1歳が近づいてくると口の中に指を突っ込んで離乳食を出してしまう行為も見られます。この場合も味がイヤだったり飲み込みづらいというのが大きな理由になります。対処法も基本的には同じで、お子さんをよく観察して、もう少し柔らかくしてあげたり、食べやすいように味に工夫をしてあげてください。