手取り70万円・59歳会社員、定年前最後の見直しで加入した「終身保険」…7年後に大後悔のワケ【FPが解説】

手取り70万円・59歳会社員、定年前最後の見直しで加入した「終身保険」…7年後に大後悔のワケ【FPが解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

定年前の時期は、将来の生活設計を見直すために、生命保険も見直しをする絶好の機会です。生命保険の見直しにあたっては、定年前のタイミングでの加入はお勧めできない商品もあり、なかでも、終身保険への加入は注意が必要と、FPの牧元拓也氏はいいます。一体なぜなのでしょうか? 本記事では、定年前の見直しの際に避けるべき生命保険について解説します。

定年前には特に要注意な保険

Aさんが加入した「終身保険」と併せて、それ以外にも定年前には特に気を付けるべき保険についてお伝えします。
 

年齢が高いと保険料も高額…「終身保険」への加入は慎重に

自身の収入や保険内容に対して割高な保険料を支払うことにならないか、定年前に入る「終身保険」は慎重に検討する必要があります。保険料が高額で長期間の契約となるため、将来の経済的な負担が大きくなる可能性があるからです。ご自身や家族の保障目的や将来の予定に応じて、必要な保険額を見極めることが重要です。

 

ただし、十分な預貯金があり、そのまま相続すると相続税がかかる場合には、一時払いの終身保険に加入することで、相続税を抑えること(生命保険の非課税枠の利用)も可能です。また、現金で置いておくよりも多くの保険金を遺すことができることが本来のメリットです。

 

「不要な特約」を見極める

生命保険には追加できる特約がありますが、すべてが必要とは限りません。たとえば、失業保険傷害保険などは、ほかの保険商品や公的な保険制度で十分にカバーされている場合があります。無駄な費用を避けるために、自身の保険ニーズに合わせて必要特約を選ぶことが大切です。

 

そもそも十分な現預金があれば保険がなくても対応可能なケースが考えられますので、本当に保険として必要なのか検討する必要があります。

 

「高齢者向け保険商品」への過剰な加入に注意

定年前には高齢者向けの保険商品がありますが、必ずしもすべてが適切ではありません。高齢者向けの保険は保険料が高くなりがちであり、将来の経済的な負担を考慮する必要があります。自身の健康状態や将来の予定に応じて、適切な保険商品を選ぶことが重要です。

 

こちらも十分な現預金があれば保険がなくても対応可能なケースが考えられます。

 

資産形成目的の保険

一部の生命保険商品は投資要素を含んでおり、将来的な資産形成を目指すこともできます。しかし、保険商品も債券や投資信託で運用されているため、資産形成が目的であれば保険商品で行う必要はないといえます。

 

保障が不要であれば保険会社へ支払う目に見えない費用を負担せず、証券口座で運用するほうがいいでしょう。

 

また、定年前の段階で資金を守りながら安定した収益を得ることが重要です。リスク許容度や投資目的に合わせて、適切な投資商品を選ぶようにしましょう。

自身に合った保険を見極める

定年前には生命保険の見直しを行うことが重要ですが、入ってはいけない生命保険も存在します。高額な終身保険や不要な特約、高齢者向け保険の過剰な加入、保険の重複加入、資産形成目的の保険などには注意が必要です。

 

保険のプロやファイナンシャルプランナーと相談しながら、自身のニーズに合った適切な生命保険を選びましょう。定年前の見直しによって、将来の経済的な安定を確保しましょう。

 

 

牧元 拓也

ファイナンシャルプランナー

株式会社日本金融教育センター

 

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