「成功は時間差で来る」ことを知っている
億を手にする人は、成功は「時間差で手に入る」ことを知っています。今やっている苦労も、時間差でチャンスや成果になって返ってきます。
私はこれを「成功の時間差攻撃」と呼んでいます。いつも成功する人は、時間の波乗りが上手です。
逆に、最初にこれを知らないと、自己投資はもちろんビジネスや投資でお金をかけすぎて、資金がショートしてしまいます。
すぐ目の前に成功のゴールがあるのに、途中で諦めてしまいます。倒れてしまう前に、安全装置を作動させることもできません。
そうならないためには、なるべく早い時期に、負ける経験をしておくことです。
絶対負けたくない。そう思う人も、ぜひ最後まで聞いてください。
すでに紹介した通り、私は20代にたくさん転んできました。
父子家庭で育ち、大学受験も失敗。社会人1年目からフリーランスの仕事をしていたわけですが、毎日のように𠮟られ、先輩たちから文字通り罵声ばかりを浴びせられていました。
27歳で起業した後も、何度も倒産しそうになりました。
ただ、振り返ってみると、当時多くの失敗をしたおかげで、「成功はあとからやってくる」ことを知りました。リスクに敏感になり、失敗への強い耐性ができたのは言うまでもありません。
若い頃に多く転んだ経験が、自分を成長させるエンジンに変わったわけです。
このように、ビジネスや投資をするうえでは、成功の時間差攻撃を理解して、きちんとリスクを考えてリターンを取っていかなければなりません。
このとき、過去の失敗経験があると、それが直観という名のデータベースとなり、「今すぐ動いたほうがいい」「まだじっくり待ったほうがいい」と自分にシグナルを送ってくれるようになります。
これは、たとえば株式投資なども同じです。
「今はまだ、多くを投資しないほうがいい」「ここはリスクを取って勝負に出るべきだ」など、過去の経験やパターンから、直観的なひらめきが頭の中に点灯することがあります。
そうした直観が働くのは、若い頃に負けたり転んだりした数多くの経験を体が覚えているからです。
私は株式投資や不動産投資でも、多くの資産を築いてきました。とくに株式投資で成功するためのアドバイスとして、私がよく言うのが、「大振りでなくもいい。1回でも多くバッターボックスに立て」です。
子供は最初の木登りでは、たいてい途中から恐怖で身がすくみ、動きが止まってしまいます。初めての経験で、パニックになるからです。
下から見上げたり上から見渡す景色は、公園を走り回っていた過去の経験とはまるで違うので、どうしていいかわからなくなるのです。
ただ、同じ木登りも、数回繰り返しているうちに、自分の力で高いところまで登れるようになります。
似たようなシーン、似たような失敗を、体が覚えていくからだと思います。早いうちに小さく負けたり転んだりした経験は、あとで必ず役に立ちます。
ただ1つだけ、大切なことがあるとすれば、負けてもいいが死んではいけない、ということ。
かすり傷ならいくら負ってもいいが、致命傷を負ってはいけない、というわけです。
上岡 正明
株式会社フロンティアコンサルティング
代表取締役社長