都道府県別「最低賃金」調査…軒並み上昇していたが
OECD(経済協力開発機構)発表の「Real minimum wages(実質最低賃金)」を見ると、日本の最低賃金の水準は英仏独などの金額の6~7割程度に留まっており、先進諸国と比べてはるかに低いことが明らかになっています。
労働に見合わない対価を是正しようと、日本全体の賃金向上が急がれていますが、都道府県別に調べると、日本国内でも賃金格差が鮮明であることが分かります。さっそく見ていきましょう。
厚生労働省発表「令和4年度地域別最低賃金改定状況」によると、最低賃金がもっとも高いのは1位東京都「1,072円」、続いて2位神奈川県「1,071円」、3位大阪府「1,023円」。1,000円を超えたのはわずか3都府県となりました[図表]。
東京都の最低賃金の推移を見ていきましょう。平成20年度時点では766円でしたが、平成22年度には821円、平成27年度には907円と、毎年13円~30円程度上昇し続け、令和元年度、ついに1,000円の大台を突破しました。神奈川県の最低賃金の推移を見ていくと、平成20年度時点では東京都と同様に766円でした。その後も東京都とほぼ同様の上昇を続けています。
900円台を記録したのは、4位埼玉県「987円」にはじまり、19位福岡県「900円」まで、計13府県。全国平均は961円です。
過去数年間、平均して毎年20円程度上昇していましたが、令和2年度では新型コロナ感染拡大の影響による企業収益の悪化からほぼ据え置きの都道府県が多くみられました。
しかし、それから2年間で全国平均して60円上昇。令和2年度では16県にものぼった「最低賃金700円台」の都道府県はみられなくなりました。推移は順調だといえそうです。