「もらい忘れ」で損してませんか?年金受給者で「65歳・配偶者が60歳」なら毎月「プラス3万円」がもらえる「加給年金」のポイント

「もらい忘れ」で損してませんか?年金受給者で「65歳・配偶者が60歳」なら毎月「プラス3万円」がもらえる「加給年金」のポイント
(※写真はイメージです/PIXTA)

人生100年時代、長くなった老後を生きるための資金の中核となるのは公的年金です。年金を受け取るには申請が必要なので、「もらい忘れ」は絶対に避けなければなりません。その代表的なものが「加給年金」です。要件をみたす方にとっては、受給しないことによる損失があまりに大きいうえ、「時効」にかかってしまうと最悪なことになります。本記事では、受給資格や受給金額、手続き等について解説します。

加給年金の額

受け取れる加給年金には、基本の加給年金のほか、配偶者の分の加給年金については受給権者の生年月日に応じた特別加算があります。それぞれ以下の通りです。

 

◆基本の加給年金の額

まず、基本の加給年金の額は以下の通りです。

 

【基本の加給年金の額】

・配偶者:228,700円

・1人目・2人目の子:228,700円

・3人目以降の子:76,200円

 

◆配偶者加給年金の特別加算

また、配偶者の分の加給年金には、受給権者本人の生年月日に応じた特別加算があります。配偶者の生年月日ではなく、あくまでも本人の生年月日であることにご注意ください。

 

【受給権者の生年月日と特別加算額・加給年金合計額】

・1934年4月2日~1940年4月1日:33,800円⇒加給年金合計262,500円

・1940年4月2日~1941年4月1日:67,500円⇒加給年金合計296,200円

・1941年4月2日~1942年4月1日:101,300円⇒加給年金合計330,000円

・1942年4月2日~1943年4月1日:135,000円⇒加給年金合計363,700円

・1943年4月2日~:168,800円⇒加給年金合計397,500円

 

たとえば、受給権者65歳、配偶者が60歳の場合だと、397,500円です。これは1ヵ月あたり33,125円になります。老後の生活にとってはかなりありがたい金額で、申請しないと損です。

加給年金の「支給停止」

2022年4月以降、加給年金については大きな変更がありました。少しややこしいので、解説を加えておきます。

 

これは、配偶者が老齢厚生年金を受給する権利があるのに、受給していない場合に問題となります。

 

典型的なのは、配偶者が在職中で、厚生年金の全部または一部が支給停止となっている場合等です。

 

働きながら老齢厚生年金を受給する場合、「在職老齢年金」といい、以下の額を足した額が月48万円を超える場合は、超過部分の額の2分の1がカットされます。

 

基本月額 + 総報酬月額相当額

 

「基本月額」は、老齢厚生年金の報酬比例部分の金額です。

 

「総報酬月額相当額」は、当月を含む過去12ヵ月間のボーナスも含めた給与の平均月額です。

 

2022年3月以前は、配偶者が在職老齢年金を受給していて老齢厚生年金の一部または全部が支給停止になっている場合も、受給者本人は加給年金を受け取ることができました。

 

しかし、これが、2022年4月以降は受け取れなくなったということです。

 

ただし、2022年3月時点ですでに加給年金が支給されている場合については、引き続き支給される経過措置が設けられています。

 

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