(※写真はイメージです/PIXTA)

「年収200万円以下」の人が「年収450万円」を目指すのと、「年収2000万円」の人が「年収1億円超」を目指すのではそのやり方は違う──そう語るのは、預金残高391円だったところから年収1億円、資産10億円となり、日本人のトップ1%に入る富豪となった末岡由紀氏。過去5万部のベストセラー本も著書に持つ。本稿では、投資のテクニックから資産配分の最適化まで記された末岡氏の著書『預金残高391円だった僕が資産10億円になれた お金の引力』より、以下一部編集・抜粋してお届けする。

会社員の「人生の平均時給」はいくらか

同じお金持ちになるなら、効率よくなりたいとは思わないだろうか。そのためには「人生の平均時給」を上げていくことが大事だ。

 

時給1000円なら10時間で1万円にしかならないが、時給2000円なら10時間で2万円になる。当然だが、時給が上がれば同じ金額のお金を稼ぐスピードも倍になる。

 

このシンプルな方程式を最大限に活用するのだ。

 

ところで君は、会社員の「人生の平均時給」がいくらになるかを考えたことがあるだろうか。ここではその数字を割り出してみよう。

 

現在、日本の男性の生涯平均年収は約2.92億円だそうだ。この生涯年収とは、新卒から65歳の定年まで働き続けた場合の金額で、残業代や退職金も含まれる。この約2.92億円を、新卒から定年までの労働時間で割れば「平均時給」が出る。ここでは仮に、1年間のうち休日を除いた約240日、そして1日に8時間働くと考える。

 

すると、22歳から65歳までの44年間で8万4480時間働くことになる。するとその「平均時給」は、3456円だ。

 

会社員の場合、この平均時給を上げようとすると相当な努力が必要だろう。そして努力したところで限界はある。しかもその限界値は意外にも低い。だからここまでに、お金持ちになろうとするなら資産を増やすことを考えるべきだと伝えてきた。

 

だがより効率よくお金持ちになるには、さらに「人生の平均時給」という視点も加えることが大切だ。単に資産を増やそうとするのではなく、より効率よく資産を増やせる方法を選ぶ。

 

資産を増やそうとするとき、目の前に現れた数字に惑わされずに「これは人生の平均時給を上げるか」と考えてみるのだ。

1年間で「1000万円」の利益見込みと「100万円」の利益見込みの物件、どちらを選ぶべきか

たとえば1年間で1000万円の利益が見込める不動産物件Aと、1年間に100万円の利益が見込める不動産物件Bがあったとしよう。多くの人がまず注目するのは、きっとAの方だろう。

 

しかし効率よくお金持ちになる人は、ここですぐに「Aの方が良い」とは判断しない。

 

たとえばAの物件を維持するためには、リフォームや管理などの発注作業やら書類の手続き等で約1ヵ月の作業がかかるとしよう。1日7時間をその作業に費やせば、1ヵ月(休日を除いた約20日)で140時間になる。となると、時給は7万1430円だ。

 

一方、1年間に100万円の利益が出るBの物件にかかる作業時間は、わずか1時間だったとしよう。すると時給は100万円となる。今の僕なら迷わずBを選ぶ。そして物件Bに関わる作業をさっさと1時間で終え、他の投資に時間を費やす。

 

結果、その方が断然スピード感を持った資産、年収の増額となることが見込めるからだ。

 

また、物件Aに関わる140時間の作業をしている間に、大事な案件を取りこぼす可能性が高いからでもある。

 

もちろんこの場合、AとBのどちらを選ぶのが最良かは、そのときの資産状況や仕事状況などによって変わるだろう。資産が少ない段階なら、Aを選んだ方が賢明という場合もある。

 

どちらにせよ大事なのは見た目の数字に惑わされず、人生の平均時給という視点を持ち込むことだ。

お金の引力

お金の引力

末岡 由紀

サンマーク出版

お金持ちの人とお金持ちではない人の“中身”はそう変わりません。 ずば抜けた才能や、恵まれた環境など関係なく、 お金持ちになることはできるのです。 では、お金持ちになった人は何をしたのでしょうか。 それは「お金の…

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