「経費への意識」がお金の引力を高める
会社員として会社に雇われているときには、経費を意識することはほとんどないだろうね。
せいぜい出張費や会食費など仕事で使ったお金の精算をして、「期日までに経理担当者に領収書を渡さなければ」などと考える程度だろう。そして経費の精算をし忘れると、損をするのは経費として使った分だけだ。
だがこの範囲だけで経費を捉えていては、お金の引力は働かない。そもそも経費とは事業を行うために使った費用のこと。
たとえば君が起業して、マンションの一室を借りてそこをオフィスとして使ったとしよう。この賃貸料は事業に必要な費用だから経費となる。仕事に使う机や椅子、パソコンを買えばそれも経費になるし、日々使う文房具なども同様だ。
ところで、事業を行い利益が出たら、その一部は税金として納めなければならない。大雑把にいうと、売り上げから経費を差し引いたものが利益だ。利益が少なくなれば、その分納める税金も少なくなる。
じつはこの仕組みをフルに利用することが、お金の引力を高めることに繋がる。まずは「経費を使う」という意識が、まったくないお金の使い方のパターンを見てみよう。
手元に入るのは「107万5000円」、だが…
たとえば君が会社員として月収100万円を得ながら、アパート経営で毎月50万円の収入を得ているとするよ。
100万円の給料は、税金が引かれると約70万円になる。50万円の家賃収入は、税金が引かれると約37万5000円になる。君の手元に入るのは、合計で107万5000円だ。
さて、君は会社からもらった月給のうち40万円を生活費として使ったとしよう。すると残りは【67万5000円】になる。「まあまあ手元に残るじゃないか」と思うかもしれないけれど、これは経費をまったく意識していない悪いパターンのお金の使い方だ。
次に「経費を使う」という意識があるお金の使い方のパターンを見てみよう。
経費を意識すると、必然的に「会社を作る」という発想になる。
なぜなら経費として認められる範囲が会社の方が断然広いからだ。だからここで想定するのは、収入は会社員として月収100万円を得ながら、アパート経営で毎月50万円を得ているという点は先ほどと同じでも、君が会社を持っているというパターン。
ちなみに会社員でありながらプライベートカンパニーという会社を持つことができるんだ。
この場合も、100万円の給料は税金が引かれると約70万円になる。50万円の家賃収入は、税金が引かれると約37万5000円になる。君の手元に入るのは、合計で107万5000円だ。