「年収200万円以下」の人が「年収450万円」を目指すのと、「年収2000万円」の人が「年収1億円超」を目指すのではそのやり方は違う──そう語るのは、預金残高391円だったところから年収1億円、資産10億円となり、日本人のトップ1%に入る富豪となった末岡由紀氏。過去5万部のベストセラー本も著書に持つ。本稿では、投資のテクニックから資産配分の最適化まで記された末岡氏の著書『預金残高391円だった僕が資産10億円になれた お金の引力』より、以下一部編集・抜粋してお届けする。
年収2000万円あっても“お金持ちとは呼べない”場合がある
たとえば君の知り合いが、「僕は年収2000万円だよ」と言ったとしよう。すると君は、「あ、この人はずいぶんお金持ちだな」と思うかもしれない。
しかしこの人が本当にお金持ちか、またはどれくらいお金持ちなのかは、その人のPL、BS、CFを確認してみないとわからない。
たとえばその人のBS(貸借対照表)を見てみると、現金、預貯金などの資産をほとんど持っておらず、借金の額は資産を上回っていたとしよう。それはお金持ちとはいえない。
PL(損益計算書)を見てみると、現金の収入は1700万円くらいあるのに、住宅費やレジャー費などで多額の出費をしていて、その額が収入以上だったとしたら、それもお金持ちとはいえない。
またCF(キャッシュフロー計算書)では、毎月100万円以上の給料が入ってきているのに、生活費を使うと毎月の借金返済額分が残らず、きちんと返済できていないようなら、それもお金持ちじゃない。どんなに年収が高くても、資産と負債、収入と支出のバランスが悪く、お金の流れが滞っていたら、それはお金持ちとは呼べないんだ。
「1億円の負債を抱えた人」を見たとき
逆に「僕は今、1億円の負債を抱えているんだ」と言う人がいたとしよう。君は「え! 1億円もの借金。ずいぶんお金に苦労しているんだろうな」と思うかもしれない。
でもその人がもしアパートやマンションを持っていて、その家賃収入があるなどして、資産と負債、収入と支出のバランスが取れ、キャッシュフローがスムーズに流れているとしたら、それはお金に苦労しているとはいえない。
つまり、PL(損益計算書)、BS(貸借対照表)、CF(キャッシュフロー計算書)をわかっていると、年収や借金といった表面の金額に惑わされなくなり、本当の経済状況が読めるようになる。
投資家、資産家
1976年、北海道生まれ。風呂なし市営住宅に母子家庭で育つ。中学卒業後、陸上自衛隊少年工科学校に入学するも、厳しい訓練の日々の中で人生の方向性を見失って2年で中退。札幌の通信制高校に転校し、1年浪人後に札幌大学入学。大学卒業後、パチンコ店を経て不動産賃貸仲介会社に転職。預貯金391円だったが、「お金持ちになる」と決意。1年後に全店約300人の営業職のなかで年間トップセールスとなる。
32歳で不動産会社、パーフェクトパートナー株式会社を起業。一族で1000室以上の賃貸マンションを運営し、12ヘクタールの食用とワイン用のぶどう、栗、いちごを栽培する農地も保有。資産は10億円を超える。また、スタートアップ22社の株主となり、エンジェル投資家としても活躍。
現在、子供6人の8人家族で仲良く暮らしながら、多くの人に成功哲学や、夢のかなえ方を伝えるために、出版、講演、楽曲・映画製作などの活動に取り組んでいる。2024年、札幌で国際映画祭を開催する発起人としても、活動中。
著書に5万部のベストセラーとなった『金持ち列車、貧乏列車 成功者だけが持つ「切符」を手に入れる方法』(幻冬舎)がある。
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