年収2000万円あっても“お金持ちとは呼べない”場合がある
たとえば君の知り合いが、「僕は年収2000万円だよ」と言ったとしよう。すると君は、「あ、この人はずいぶんお金持ちだな」と思うかもしれない。
しかしこの人が本当にお金持ちか、またはどれくらいお金持ちなのかは、その人のPL、BS、CFを確認してみないとわからない。
たとえばその人のBS(貸借対照表)を見てみると、現金、預貯金などの資産をほとんど持っておらず、借金の額は資産を上回っていたとしよう。それはお金持ちとはいえない。
PL(損益計算書)を見てみると、現金の収入は1700万円くらいあるのに、住宅費やレジャー費などで多額の出費をしていて、その額が収入以上だったとしたら、それもお金持ちとはいえない。
またCF(キャッシュフロー計算書)では、毎月100万円以上の給料が入ってきているのに、生活費を使うと毎月の借金返済額分が残らず、きちんと返済できていないようなら、それもお金持ちじゃない。どんなに年収が高くても、資産と負債、収入と支出のバランスが悪く、お金の流れが滞っていたら、それはお金持ちとは呼べないんだ。
「1億円の負債を抱えた人」を見たとき
逆に「僕は今、1億円の負債を抱えているんだ」と言う人がいたとしよう。君は「え! 1億円もの借金。ずいぶんお金に苦労しているんだろうな」と思うかもしれない。
でもその人がもしアパートやマンションを持っていて、その家賃収入があるなどして、資産と負債、収入と支出のバランスが取れ、キャッシュフローがスムーズに流れているとしたら、それはお金に苦労しているとはいえない。
つまり、PL(損益計算書)、BS(貸借対照表)、CF(キャッシュフロー計算書)をわかっていると、年収や借金といった表面の金額に惑わされなくなり、本当の経済状況が読めるようになる。