カナダで需要高まる〈離婚コーチ〉とは?…弁護士費用1時間「約5万〜6万円」と比較したその「費用」と“意外なサービス内容”

カナダで需要高まる〈離婚コーチ〉とは?…弁護士費用1時間「約5万〜6万円」と比較したその「費用」と“意外なサービス内容”
(※写真はイメージです/PIXTA)

「離婚コーチ」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。カナダでは弁護士とは別に「仲介役」として存在していると言いますが、その役割は一体どのようなものなのか、また弁護士と何が違うのでしょうか。カナダのKM Pacific Investments Inc. 代表取締役の枡田耕治氏が解説します。

離婚に「コーチ」がいる?

カナダでは、離婚家庭において、離婚弁護士とは別に『離婚コーチ』という仲介役が存在し、利用されています。離婚コーチは、法律上および経済上のアドバイスを提供する弁護士とは異なり、離婚の過程だけでなく、離婚成立後の『新しい生活への移行』をスムーズに行うためのサポートを担当します。

 

協議離婚の場合、財産分与が必要ない場合でも、弁護士からの推薦を受けて離婚コーチを介して協議を進めることがあります。離婚コーチは通常、離婚当事者の両方が利用する必要があります。そしてその費用は、弁護士費用の約半分程度です。離婚弁護士の費用は、平均で1時間当たり500〜600カナダドル(約50,158〜60,190円)ですが、離婚コーチの費用はその半額程度が目安となります。

 

離婚のプロセスでは、子供の「共同養育計画」を中心に話し合いが行われますが、感情的になることを防ぐために離婚当事者は仲介役の存在を頼りにします。離婚コーチは、離婚条件の話し合いだけでなく、子供たちのメンタルケアもサポートしてくれます。

 

そしてカナダでは現在、離婚コーチの需要はますます高まっています。

離婚コーチと「子供スペシャリスト」の役割

離婚コーチは、多くの場合、子供スペシャリスト(チャイルド・ライフ・スペシャリスト)としての資格も持っていますが、同じ離婚家庭での兼任は制限されているようです(つまり、同じ離婚プロセスにおいて、離婚コーチと子供スペシャリストの両方の資格を持つ人が、両方の役割を同時に兼任することはできません)。

 

子供スペシャリストの役割は、子供たちと直接会い(親は同席できない)、子育て計画の策定において子供たちの声を代弁することです。

 

また、親の離婚について、子供の感情の処理を手助けし、自分の考えや感情を、親の目を気にせず本音で表現できるように、心の安全な場所を提供することです。親の離婚過程において、子供は自分の発言で親のどちらも傷つけたくない、悲しませたくないという気持ちが強いため、親には本音で話せないという子供たちが多いようです。

意見を親たちとも共有

離婚コーチは子供スペシャリストとも連携し、子供達の本音を聞いた子供スペシャリストの意見を親たちと共有します。ただし、子供スペシャリストは子供たちから聞いた内容の詳細に関しては親に共有しないことが大前提です。そして、子供たちの気持ちや考え方を最優先に考慮し、大人の都合よりも子供たちの利益を重視してサポートしていきます。

 

私はこれまで、「子供たちの意見を何でも最優先に聞くこと」が子供の尊重につながると思っていました。しかし、子供スペシャリストによる子供たちの本音の話を聞いて驚き、重要なことに気づきました。

 

親への思いやりや配慮、そういったことを重視している子供が多いのです。そのため「何でも子供のことを優先する」ことが、必ずしもその子供が望んでいることではない、と。

 

「離婚コーチ」は単なるビジネスではないこと、「離婚」において、何が本当に大切なのかを再認識しました。

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