ワークマンは「4,000億円規模の市場」発見で急成長…1日「約18社」倒産する〈売れない日本〉で見落とされている“穴場市場”

ワークマンは「4,000億円規模の市場」発見で急成長…1日「約18社」倒産する〈売れない日本〉で見落とされている“穴場市場”
(※写真はイメージです/PIXTA)

国税庁「令和2年度分 会社標本調査結果について」によると、現在、企業の62.3%、約174万社が赤字を抱え、苦境に立たされています。要因はさまざまですが、ダントツで多いのは「販売不振」。ところが、同じ「売れない日本」にありながら、ケタ違いの急成長を続けている会社も存在します。両者の違いはどこにあるのでしょうか? SDGsジャーナル 深井宣光氏の著書『SDGsビジネスモデル図鑑 社会課題はビジネスチャンス』(KADOKAWA)より一部を抜粋し、見ていきましょう。

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「社会課題解決思考」の「社会課題解決型」とは?

「社会課題解決思考」の「社会課題解決型」とは、社会が今すぐ解決を求めるほどの需要があるにもかかわらず、「供給が足りていない社会課題」「そもそも供給が一切されていない社会課題」を、ビジネスの力で解決していく起業家です。

 

社会課題解決型は、社会から共感によって拡散され、メディアの注目を集め、熱狂的な応援を獲得するだけでなく、「開発に必要な技術」「最高峰の知識」「最適なノウハウ」「ビジネスに必要な資金」「専門家からのアドバイス」「志を同じくする優秀な人材」「官公庁・行政・自治体からの支援」など、あらゆるリソースが集まり成功していきます。

 

では、なぜ「社会課題解決型」には、このような好循環が次々に起こっていくのでしょうか。

 

それは今、巨大な需要によって拡大し続けている「急成長市場」=「社会課題解決市場」が、日本のみならず世界で複雑化する「社会課題」の数だけ誕生しているからです。

 

■「需要過剰>供給過少」の「社会課題解決市場」

社会課題解決市場は、例えるならば、砂漠でカラカラに喉が渇ききって水を渇望している人たちのもとに、誰よりも早く水を届け、殺到して求められるほどに「需要」が過熱している市場です。

 

今すぐ課題解決を求められるほどの「需要」と「欲求」が世界規模で社会に溢れているにもかかわらず、巨大な市場ほど「供給」がまったく足りていません。つまり右肩上がりに急成長している市場の規模は、解決を求める人たちの規模そのものであると共に、ビジネスの成長可能性を表しています。

 

そして今、その市場の規模と数が飛躍的に拡大し続けているのです。

急拡大する「社会課題解決市場」の秘密

では、なぜ今「社会課題解決市場」は、急拡大しているのか? それは、社会課題解決市場は「メガトレンド」によって生まれているからです。

 

一般的な市場のトレンドは、短期的な流行によって一時的に拡大することはあるものの、あくまで「流行」にすぎません。長くても数年ほどで流行が過ぎれば終わりを迎えます。そして、その多くが興味関心レベルの欲求によって拡大するケースです。そのため、つい昨日まであった市場が明日にはなくなる…というようなリスクがあります。例えば、「タピオカブーム」「レトロブーム」などなど…「ブーム」と呼ばれるものが短期的な流行で盛り上がるものの、いつの間にか「そんなのも流行っていたね」というレベルで終わるようにです。

 

しかし、「社会課題解決市場」を生み出している「メガトレンド」は違います。社会課題によって起こる、社会の構造変化そのものからトレンドが発生しているので、長期にわたって急拡大を続けるだけでなく、これまでの世界の大前提そのものを変えてしまうほどのトレンドです(図表10)。

 

出所:深井宣光著『SDGsビジネスモデル図鑑 社会課題はビジネスチャンス』(KADOKAWA)
[図表10]一般的なトレンドは短期的な流行に過ぎないが… 出所:深井宣光著『SDGsビジネスモデル図鑑 社会課題はビジネスチャンス』(KADOKAWA)

 

例えば、次のような「メガトレンド」が次々に「社会課題解決市場」を生み出し続けています。

 

●急激な「人口増加」

●止まらない「人口減少」

●高まり続ける「高齢化」

●避けては通れない「インフラ老朽化」

●生物そのものの危機「気候変動・環境破壊」

 

上記の市場はあくまでも存在している市場の一部にすぎません。まだまだ「社会課題解決市場」があらゆる分野で溢れています。

 

 

SDGsジャーナル 深井 宣光

 

一般社団法人SDGs支援機構事務局長。SDGs/社会課題解決専門ビジネスメディア「SDGsジャーナル」を運営。社会課題解決型のスタートアップ専門ビジネスメディア「Startup-Japan」代表。SDGsを専門知識ゼロでもわかるやさしい言葉で伝え続け、わかりやすいだけでなく行動を喚起する解説者として注目を集めている。経済産業省関東経済産業局のベンチャー支援事業のサポーターや、各種メディア、企業でのSDGs/サステナブル企画の企画・監修のほか、講演、執筆など多岐にわたって活動。著書に『小学生からのSDGs』(KADOKAWA)がある。

 

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※本連載は、SDGsジャーナル 深井宣光氏の著書『SDGsビジネスモデル図鑑 社会課題はビジネスチャンス』(KADOKAWA)より一部を抜粋・再編集したものです。

SDGsビジネスモデル図鑑 社会課題はビジネスチャンス

SDGsビジネスモデル図鑑 社会課題はビジネスチャンス

SDGsジャーナル 深井宣光

KADOKAWA

【急成長ビジネスに学ぶ「成功法則」】 筆者はこれまで、社会課題解決に取り組む起業家、企業、自治体、NPO、国際機関、社会活動家などを対象に、900事例以上の取材・調査・研究を行ってきました。 その中でも特に注力して…

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