世界初の「排泄予測デバイス」を実現。トリプル・ダブリュー・ジャパン株式会社
【社会課題❶高齢化による介護人口の増加】
●社会課題解決のロジック…自立排泄により、介護の業務負担を軽減できる。
●社会課題の規模…約682万人
⇒要介護(要支援)認定者数(2020年度)〔厚生労働省「令和2年度 介護保険事業状況報告(年報)」より〕。
【社会課題❷失禁による介護する側される側双方の身体的、精神的負担】
●社会課題解決のロジック…自立排泄により、身体的・精神的苦痛から解放される。
●社会課題の規模…62.5%
⇒介護する人が「排泄」に負担を感じる割合(アンケート結果1位)〔内閣府政府広報室「介護ロボットに関する特別世論調査(2013年)」より〕。
【社会課題❸紙オムツによる環境負荷】
●社会課題解決のロジック…大人用おむつの消費量・廃棄量を減らせる。
●社会課題の規模…224~241万トン
⇒国内で消費された紙おむつの廃棄量推計(2019年)〔サティスファクトリー「サステナブルレポートNo.110 年々増加する紙おむつの廃棄量」(2021年)より〕。
国内では4,800万人、世界では5億人が悩んでいる「排泄問題」
トリプル・ダブリュー・ジャパンは、超音波センサーで膀胱(ぼうこう)の変化をとらえ、世界ではじめて排尿のタイミングがわかる予測デバイス「DFree」を開発したヘルステック*企業です(*ヘルステックとは、AIやIoTなどを活用して、健康・医療・介護分野の課題を解決するテクノロジーのこと)。
同社によると、排泄に関する悩みを抱える人は世界で5億人以上、日本国内だけで4,800万人を超えるといます。また、内閣府調査でも、介護業務で最も負担が大きいのが排泄の介助(62.5%)であることから、DFreeには開発段階から大きな期待が集まりました。
2017年4月に、法人向け「DFree Professional」サービスを開始し、2018年7月には個人向けとなる「DFree Personal」の販売をスタート。その後も現場からの改善要望を次世代の開発につなげ、2021年6月に発売された第4世代では、おなかに付ける超音波センサーを大幅に小型化、ケーブルレスも実現しました。膀胱の膨らみをリアルタイムで測定することで、尿の溜まり具合を10段階で表示。排尿のタイミングを専用機器やiPhoneなどのスマートフォンに通知してくれます。
DFreeは現在、国内300施設以上に導入され、全国約682万人の要介護・要支援認定者を支えています。DFreeの通知によって自立排泄ができる回数が増えれば、オムツやパッドの費用を節約できるうえに、介護する側の作業負担を減らし、同時に介護される側の心理的負担も軽減することができます。
さらに、DFreeの端末から集められたデータは、匿名の情報として日々サーバ上に蓄積されています。同社は現在、アメリカとフランスに支社を持ち、すでに世界20ヵ国でDfreeが展開されていることから、世界中の「排泄のビッグデータ」が集まります。このビッグデータを活用することで、これまでにない画期的なサービスが誕生し、今後社会に大きな変革をもたらすきっかけになると期待されています。
内閣府「令和4年版高齢社会白書」によると、2021年10月時点の日本の65歳以上人口は3,621万人で、高齢化率は28.9%にまで上昇しています。また、MD NEXTによると、2020年の国内の大人用おむつ市場は1,247億円にもなり、大人用おむつ市場が子ども用おむつ市場よりも上回っています(図表2)。高齢化は今後、世界でも急速に進み、2060年には世界の65歳以上人口が17.8%にまで上昇するとされています。