体重が重いほど、医療費はアップ
個人的にショックだったのは、体重が増えれば増えるほど、糖尿病の合併症を併発しやすく、医療費が上がっていく傾向にあるということです。
経済学者の古川雅一氏らの研究によれば、この調査のBMI(体重[キロ]を身長[メートル]の二乗で割った数値、ボディマス数値)の平均値は23ですが、このデータが発表された2007年時点では、BMIが30以上になると糖尿病の医療費が2.5倍に、高血圧なら医療費は1.3倍にまで上がる可能性があるそうです。
BMIが30といえば、平均的な男性なら体重が約20キロ増える、女性なら体重が約16キロ増える状態([図表2])。
ちょっと気を抜けば、起こりうる体重の変化ではないかと、私自身の経験から思うのです。
もちろん、メタボから発症しやすい病気は糖尿病だけでありません。高血圧、脂質異常なども発症し、脳卒中や心筋梗塞といった病気も併発し、さらに多額の医療費がかかる可能性があります。
このような病気で、様々な薬をもらい続けていくことになると、40歳でメタボの人は、その後の約50年で、薬の自己負担額だけでも100万円〜200万円かかると言われています(2017年9月時点での試算)から、家計にも大きなダメージを与えるのは明らかです。
■節約ポイント
医療費が増える原因は、糖尿病とそれによって併発しやすくなる様々な「合併症」。それを防ぐためには、まず体重が増えないように注意する。
スナック菓子が家計に与える「見えない影響」
メタボになると、医療費の出費が増えるため、そのぶん「貯金」ができなくなります。
しかも、栄養が偏ってメタボになる人のなかには、食事が外食やコンビニ弁当という人も少なくありません。そうなると、自炊するよりも食費が割高になり、さらに貯金できないという悪循環に陥るケースも出てきます。
若い時は基本的に健康なので、問題はないでしょうが、栄養が偏った状況が長く続くと、体調不良になりやすく、ある程度の年齢になって体調不良が続くと、十分な働きができなくなって収入が下がってしまうかもしれません。
体調も不調になり、貯金もできないというのは、人生における最悪な状況です。
「メタボになると、医療費が増えて貯金ができなくなる」と聞いても、にわかには信じられないという人のために、「肥満と家計の関係性」についての調査を見てみましょう。