副業収入300万円・45歳サラリーマンが“節税”のため「会社設立」したら? 驚きのシミュレーション結果とは

副業収入300万円・45歳サラリーマンが“節税”のため「会社設立」したら? 驚きのシミュレーション結果とは
(※画像はイメージです/PIXTA)

昨今ではサラリーマンの「副業」が増えています。副業が軌道に乗り、売上が伸びてきた段階で問題となるのが「税金」の問題です。そこで、よくおすすめされるのが「会社設立」「法人化」です。では、実際にどんなメリットがあり、いくらくらい節税できるのでしょうか。シミュレーションとともに解説します。

税金に着目した「法人化」の5つのメリットとは?

税金という側面に着目すると、副業を法人化することによる主なメリットは以下の5つです。なお、きちんと帳簿をつけてそれに伴う書類を保存する「青色申告」をすることをおすすめします。

 

【副業を法人化することによる主なメリット】

1. 所得を家族に分散し、税率を抑えることができる

2. 家族への給与を会社の経費(損金)にできる

3. 法人の方が所得にかかる税率が低い

4. 経費計上できる費目が増える

5. 「赤字」を他の年度の利益から差し引ける

 

◆メリット1|所得を家族に分散し、税率を抑えることができる

第一のメリットは、配偶者等の家族を「役員」「従業員」にして給与を支払えば、所得を分散できることです。

 

所得税の計算においては、所得が高くなっていくごとに段階的に税率が上がっていく「超過累進税率」が採用されています。

 

家族に給与を支給すれば、自分の所得が抑えられると同時に、所得が家族に分散され、高い累進税率の適用を回避することができるのです。

 

ただし、あくまでも、給与の額は、勤務実態にある程度見合った額にする必要があります。

 

◆メリット2|家族に支払った給与を会社の経費(損金)にできる

第二のメリットは、家族に支払った給与を会社の経費(損金)に算入できることです。

 

経費になれば、その分だけ、課税される法人所得が減少することになります。いわば個人と法人の両方で、税金が抑えられるということです。

 

◆メリット3|法人の方が税率の上限が低い

第三のメリットは、法人税の最高税率が所得税よりも低く設定されていることです。

 

所得税は最高税率が45%・住民税と合わせて55%となるのに対し、中小企業の法人実効税率は33%程度です。

 

したがって、副業の収入の額によっては、法人化した方が有利になる可能性があります。

 

◆メリット4|経費計上できる費目が増える

第四のメリットは、法人は経費計上できる費目が個人事業主よりも多いということです。

 

法人特有のものとして挙げられるのは、たとえば、以下のようなものです。

 

・「役員社宅」の賃料

・出張手当

・法人契約で加入した生命保険や医療保険の保険料

 

このうち、「役員社宅」の賃料について説明します。これは、会社が家を借りて賃料を払い、社長(役員)に割安な賃料(転貸料)で貸して住まわせるスキームです。

 

これは、会社と個人の両方にとって、税負担を抑えられるメリットがあります。

 

すなわち、会社の側では、貸主に支払う賃料(損金)と、役員個人から受け取る転貸料(益金)の差額について、税負担を免れることになります。

 

個人の側では、賃料の一部を会社に肩代わりしてもらうことにより、個人の実質的な手取りを増やすことができます。

 

転貸料は社会通念上相当な水準である必要があり、だいたい50%以上とされます(厳密な計算式は国税庁HP「タックスアンサーNo.2600 役員に社宅などを貸したとき」をご覧ください)。

 

なお、賃料の一部を給与として支給する形をとった方が手っ取り早くて良い気がしますが、そうすると社会保険料がかかるので、その分、手取りが減ってしまいます。

 

◆メリット5|赤字が出たら他の年度の利益から差し引ける(青色申告法人)

第五のメリットは、青色申告法人に限って認められるものです。

 

「赤字」が出た場合に、他の年度の「黒字」から差し引いて税金を抑えることができます。「繰り越し控除」「繰り戻し還付」の2通りがあります。

 

「繰り越し控除」は「将来の黒字」から差し引くものです。次年度以降、10年にわたって黒字から差し引くことができます。

 

これに対し「繰り戻し還付」は「前年度の黒字」から差し引くものです。前々年度から以前の黒字からは差し引くことができません。また、税務調査が入る可能性が高いといわれています。

 

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