(※写真はイメージです/PIXTA)

企業内で「部長」にまで出世するのは大変だ。努力するのはもちろん、人間関係やチャンスといった運の要素だってある。しかし、ひとくくりに「部長」といっても、その実態はさまざまで、統計の数字を追うと、驚くほどの格差があることがわかる。

平社員・係長・課長・部長…それぞれの平均的な給与額

チャンスも大きいが、リスクも高い起業。安定性と引き換えに、飛びぬけて高い給料は狙いにくいサラリーマン。いずれもメリット・デメリットがあるが、多くの人は安定性を重視し、「サラリーマン」を選択しているというのが実情だろう。

 

サラリーマンでいながら収入を上げるには、2つの選択肢がある。キャリアアップして高い給料をもらえる会社へ転職するか、もしくは、社内で出世して給料を上げるかのいずれかだ。

 

厚生労働省『令和4年賃金構造基本統計調査』によると、大卒で役職のないサラリーマンの平均給与(所定内給与額)は月32.97万円。賞与などを含めた年収は543万円だ。

 

係長(平均年齢43.7歳)になると、月収は39.02万円、年収は669.5万円。月収で6万円、年収で126万円の給与アップ。

 

課長(平均年齢48.1歳)になると、月収は52.55万円、年収は858.1万円。通常は係長になってから4~5年後に課長へと昇進し、月収で13万円、年収で189万円の給与アップになる計算だ。

 

そこからさらに部長(平均年齢52.7歳)になると、月収は63.57万円、年収は1,000.8万円。課長になってから4年ほどで部長へと昇進し、月収では11万円、年収で140万円ほど給与アップになる計算だ。

 

それより上の役職となると、経営側のポジションとなる。そのため、会社員の場合は、「部長職」がまずは目標となるといえるだろう。

 

大卒のサラリーマンなら、年収1,000万円の大台突破が実現するのも、部長職あたりからだといえる。

「あえての気楽な平社員だよ」とはいうものの…

残念ながら、出世と無縁のサラリーマンも、当然ながらいる。では、一生平社員の場合と部長職の場合、どれほど差が開くのだろうか?

 

大卒から定年まで「役職なし」で働いた場合、20代前半で月23.5万円だった給与は30代前半で月30.9万円、50代前半で月40.9万円となり、50代後半で月42.4万円、年収691万円でピークに。生涯年収は2億1,549万円。


一方の部長職へと勝ち上がるパターンは、43歳で係長、48歳で課長、52歳で部長に。役職定年なしで定年を迎えた場合、50代後半で月収68.3万円、年収1,098.6万円で給与はピークに。生涯年収は2億5,977万円。

 

一生出世と縁のなかったサラリーマンと、出世を果たしたサラリーマン。給与の差は4,500万円弱にもなる。この差は相当大きいのではないか。

 

「給料が高くたって、そのぶん大変な思いを強いられてかわいそう」

「重責を担うより、あえての気楽な平社員だよ」

 

そんな声も聞こえるが、どこまで本心かは知りようもない。

一方の部長にも、学歴、企業規模で「埋められない差」

一方、社内の出世競争を勝ち上がって部長になったとしても、その実情はさまざまだ。

 

たとえば、男性の部長(平均年齢52.7歳)月収は59.31万円、年収は926万円である一方、女性の部長(平均年齢52.1歳)の場合は、月収は52.01万円、年収785万円。同じ肩書でも、性別による給与差がある。

 

また、男性の場合、高卒の部長の月収は49.31万円、年収で751.9万円。大卒なら月収63.5万円、年収で1,000.8万円。大学院卒になると、月収77.37万円、年収で1278.9万円にまで跳ね上がる。高卒部長と大卒部長では、年収で250万円の格差、大卒部長と院卒部長の間には280万円ほどの格差がある。

 

企業規模別に大卒部長を比較してみると、従業員30~99人企業の場合(平均年齢52.7歳)、月収は51.72万円、年収は756.5万円。従業員100~999人企業の場合(平均年齢52.7歳)、月収は63.25万円、年収は980.3万円、従業員1,000人以上企業の場合(平均年齢52.8歳)、月収75.6万円、年収は1,269.8万円。肩書は同じ「部長」でも、中小企業と大企業では年収で500万円もの、厳然たる差が存在する。

 

必死に働いて部長に勝ち上がっても、上を見れば500万円もの違いが…。どれほど頑張ったところで、学歴や企業規模の違いで、埋められないまでに広がる、残酷な格差。

 

「これほど頑張ってきたのに?」

「オレの今まで、何だったのか」

 

スタートが違えば、最後まで交差することのない道。この現実を受け止めるしかないのかもしれない。

 

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