「5月のFX投資戦略」のポイント
〈ポイント〉
・4月は米ドル反発、とくに28日の日銀会合後は米ドル高・円安が急加速。ただ米金利からのかい離など、米ドル高・円安には「行き過ぎ」懸念あり
・5月FOMC控え、米金利はテクニカルに見るとトレンド転換巡る重要な攻防が続いている
・以上踏まえ、5月米ドル/円の予想レンジは132~139円中心で想定
4月の振り返り=日銀会合後の円安は「行き過ぎ」!?
4月の米ドル/円は、植田新総裁が初めて出席した4月28日の日銀金融政策決定会合で金融緩和の継続が決定されたことをきっかけに、大幅な米ドル高・円安となり、3月に記録した年初来の米ドル高値、円安値に一気に迫るところとなりました(図表1参照)。ただこのような米ドル高・円安は、「行き過ぎ」も懸念されます。
4月に入ってからの米ドル/円反発は、当初は基本的に米金利反発に連れたものでした。
たとえば、米2年債利回りは3月に金融システム不安が拡大するなかで、一時は4%を大きく下回る動きとなりました。しかし、4月に入ると4%以上に反発するところとなり、米ドル/円もそれに連れて反発したと考えられます。
ところが、28日の日銀会合後に米ドル高・円安が加速した動きは、米金利から大きくかい離したものでした(図表2参照)。
また、日銀会合後の大幅な米ドル高・円安により、足元で133.8円程度の120日MA(移動平均線)を大きく上回りました(図表3参照)。
米ドル/円は、1月にかけて130円以下に急落したところで120日MAを大きく割り込んだことから、経験的には米ドル安・円高へトレンド転換した可能性が高いと考えられます。そうであれば、トレンドと逆行する上昇はあくまで一時的であり、経験的には最大でも120日MAを大きく超えない程度にとどまる可能性が高いと言えます。
その意味では、日銀会合後の120日MAを超えた米ドル高・円安には自ずと限度があるのではないでしょうか。
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