新築・中古に限らずマンションの立地は「駅近」が有利
近年の新築マンションを見ると、駅近の物件が増えています。共働きが増える現代においては、職住接近が望まれ、例え住環境として暮らしやすい場所でも、駅から徒歩10分を超えると、新築・中古に限らず、価格への影響や売買しにくい傾向があります。
そのため、建替えにおいても、従前建物が駅近の方が有利と言えます。つまり、保留分(戸数を増やし、余った住戸)があったとしても、事業協力者(デベロッパー等)が売り出す販売価格に与える影響等から、売れにくく事業性が低いと判断されると、建替え事業が難しくなる可能性があります。
不動産の資産価値にも影響する「コミュニティ」の創造
例えば、駅から離れていても戸建住宅として人気があるエリアがありますが、このような場合、敷地の一部を分譲地(住宅地)として売却し、事業費に充当する方法があります。
ただし、敷地の一部を売却するということは、従前建物よりも規模が縮小する可能性があります。しかし、マンションの建替えにおいて、従前の区分所有者が建替え後も全員所有するとは限らないので、事前のヒアリング等の意向調査で建替えを機に権利を売却したいと希望する区分所有者がいるかどうか、把握しましょう。
実際には敷地の一部の売却なので、共同事業ではありませんが、例えば、マンションの建替えと分譲地(住宅地)に建つ戸建住宅とで、一つの「まちづくり」と捉え、計画推進することは、新しい付加価値やコミュニティを生み出すことにもつながるでしょう。
近年「コミュニティ」の創造は、不動産の資産価値にも影響すると言われています。「まちづくり」という視点から、一緒に計画を進めていけるような事業協力者を選択すると良いでしょう。
【図版】敷地の一部売却