※画像はイメージです/PIXTA

家族に相続が発生した場合に、自身に相続税の納税義務があるのかを疑問に思う人は多いよう。また、相続税を納税する必要があるのかを調べてみたけど、イマイチよくわからないという悩みも。特に、被相続人が海外在住や日本国籍でない等、海外が絡む場合の相続税の納税義務の判定は複雑です。そこで今回は相続税の納税義務者について、フローチャート形式で判定を行っていきます。

相続人が二重国籍の場合も日本国籍保有者となる

相続人が二重国籍の場合には、どうなるのかという疑問をもたれる方もいらっしゃると思います。結論を申し上げると、二重国籍の方も日本国籍を有していると判定します。

10年以内に日本と海外を行ったり来たりしている場合

相続開始前10年以内に日本と海外を行ったり来たりしている場合には、どのような判定になるのか疑問になる方もいらっしゃると思います。相続税の納税義務者の判定においては、10年以内に日本に住所があったか否かということで判定を行うことになります。つまり、短い期間でも日本に住所があった日から起算して10年以内という判定を行うことになります。

 

※但し、被相続人や相続人が”一時居住の外国人”に該当する場合には別途取り決めがあります。

海外財産の判定…財産の種類ごとの判定方法

ここまで、日本国内にある財産に対して税金がかかるのか、または海外にある財産に対しても税金がかかるのかという話が出てきましたが、海外にある財産とはどういうものなのかと疑問に思われる方もいらっしゃると思います。ここでは、財産の種類ごとに所在地の判定方法を見ていきましょう。

 

<土地・建物などの不動産>

その不動産の所在場所で判定を行う。

<預貯金>

その預貯金の受け入れをした金融機関の所在地で判定を行う。

<株式や社債などの有価証券>

株式や社債を発行した法人の本店の所在地で判定を行う。

<生命保険や損害保険にかかる保険金>

保険契約をおこなった、保険会社の本店所在地で判定を行う。

<動産(車など)>

その動産の所在場所で判定を行う。

 

ここでは、代表的なものを紹介させていただきましたが、詳しくは国税庁HPをご参考ください。

ほとんどの人が納税義務者になる

相続税の納税義務の判定について、フローチャートで判定を行い、被相続人が所有するどの財産に対して相続税がかかるのかを見てきました。フローチャートを見て、被相続人や相続人が海外に住んでいる場合でもほとんどのケースにおいて相続税の納税義務者になることにお気づきになった方もいるかと思います。

 

実際、たとえ海外に住んでいても日本人で納税義務者にならない方はあまりいないので、海外に住んでいるから関係ないと考えずきちんと確認することが大切です。

 

また、ご自身が相続税の納税義務者と判定された場合は、お早めに国際相続に強い税理士にご相談することをオススメします。

 

早めに相談しなければならない理由としては、特に被相続人が海外に住んでおり海外にも財産を持っている場合は、その相続手続きや相続税評価に時間と手間がかかるケースが多いためです。

本連載は、税理士法人チェスターが運営する「税理士が教える相続税の知識」内の記事を転載・再編集したものです。

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