「企業分析」は誰でもできる!プロが重視する「4つの数値」とその見方【経済ジャーナリストが解説】

「企業分析」は誰でもできる!プロが重視する「4つの数値」とその見方【経済ジャーナリストが解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

中小企業や名前の知られていない中堅企業にも良い会社はたくさんあります。 その見分け方がわかれば、転職等のキャリア形成、営業先の開拓、投資の是非の判断といったあらゆる局面で役立ちます。本記事では東洋経済新報社で編集委員を務める経済ジャーナリストの田宮寛之氏が、著書『ビジネスエリートが実践している 教養としての企業分析』(自由国民社)から、優良企業を見分けるための「企業分析」のポイントを解説します。

3. ROE

3番目はよく話題にのぼるROEです。

 

ROEとは「Return On Equity」の略で、「自己資本利益率」ともいいます。

 

ROEは「当期純利益÷自己資本×100」の計算式で求められます。

 

純利益とは売上高から原価やすべての費用、税金などを差し引いたもので、最終利益とも呼ばれます。自己資本とは総資産から借入金などの負債を除いたものです。企業が他者へ返済する必要のない本当の資産とも言えます。

 

ROEが高いのは、少ない自己資本で多くの純利益を上げた結果なので、経営効率が高いことを意味します。株式市場ではROEの高さが評価されます。

 

しかし、ROEについては注意が必要です。純利益が増加してROEが上昇するのは良いことですが、借金が増加(自己資本が減少)してROEが上昇する場合もあるのです。

 

借金が増加するのは良いことではありません。借金が多いと新型コロナ蔓延のように突発的な危機に対応できないことがありえます。ROE上昇の理由を正確に把握することが重要です。

4. ROA

4番目がROAです。

 

ROAとは「Return On Assets」の略で「総資産利益率」ともいいます。

 

「純利益÷総資産×100」で算出されます。総資産の規模の割に純利益が大きいか、小さいかを判断することができます。

 

総資産の中には借金も含まれています。

 

借金によって膨らんだ資産をもとに無理に売上を拡大させたとしても、利子を支払わなくてはならず、結局は大して利益を得られません。

 

規模が大きいのに純利益が小さい企業は無駄が多すぎて、存続していくのが難しいでしょう。

比べるなら「同業他社どうし」を「会社四季報」で

ここまで、「営業利益率」、「従業員1人当たり売上高」、「ROE」、「ROA」について説明してきました。業界によってビジネスモデルが違うので、こうした指標を比較するときは同業他社どうしにしましょう。他業界の企業と比較しても、あまり意味はありません。

 

売上高、営業利益、従業員数、純利益、自己資本、総資産は『会社四季報』や企業のホームページに載っています。

 

また、ROEとROAについては自分で計算しなくても『会社四季報』に掲載されています。

 

 

田宮 寛之

東洋経済新報社

記者・編集委員・経済ジャーナリスト

 

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ビジネスエリートが実践している 教養としての企業分析

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田宮 寛之

自由国民社

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