SBI証券におけるSBI新生銀行との口座連携サービス「SBI新生コネクト」について、住信SBI銀行との連携サービス「SBIハイブリッド預金」との違いをはじめ、メリットやデメリット、設定方法、キャンペーン情報などを、FP資格を持つ証券会社出身のSGO編集者が解説します。
「SBI新生コネクト」とは?SBI証券と連携するメリットや「SBIハイブリッド預金」との違いを解説

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「SBI新生コネクト」は、SBI新生銀行とSBI証券の口座を連携したサービス名称で、2つの口座を紐づけることで様々なメリットを受けられます。

 

本記事では、

 

  •  SBI新生コネクトのメリットは?
  • 「SBIハイブリッド預金」との違いや併用の可否は?
  •  SBI新生コネクトはどんな人におすすめ?

 

という疑問をお持ちの方に、SBI証券側から見たSBI新生コネクトの特徴を中心にお伝えします。

 

最後まで読めば、口座連携サービスを活用しながらSBI証券で資産運用をする方法がわかります。

 

 

1.「SBI新生コネクト」とは?

SBI新生コネクト
(引用:SBI証券)

 

「SBI新生銀行」は「新生銀行(旧:日本長期信用銀行)」が2023年1月4日に商号を変更した銀行で、SBIグループとの連携を強化するために“SBIブランド”を前面に押し出してサービスを展開しています。

 

その一環で2023年4月3日から開始したのが、SBI新生銀行とSBI証券の口座連携サービス「SBI新生コネクト」。

 

SBI新生コネクトの最大の特長は「自動入出金サービス」で、手数料無料でSBI新生銀行の預金口座からSBI証券の口座に投信積立の設定金額を自動入金したり、SBI証券の預り金をSBI新生銀行の口座に自動出金したりできます。

 

SBI証券のユーザーがここで思い出すのが、住信SBIネット銀行と連携した「SBIハイブリッド預金」だと思います。

 

2つのサービスは似ていて共有点もありますが、別のサービスと思っておいたほうが賢明です。そして、「SBI新生コネクト」と「SBIハイブリッド預金」は併用できません。

 

次章で2つの口座連携サービスの違いを見ていきます。

 

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2.「SBI新生コネクト」と「SBIハイブリッド預金」の違い

SBI新生コネクトとSBIハイブリッド預金の違い

 

早速、「SBI新生コネクト」と「SBIハイブリッド預金」のサービスの違いを見ていきましょう。主な項目についてはあとで解説するので、ここですべて理解できなくても大丈夫です。

 

■「SBI新生コネクト」と「SBIハイブリッド預金」の比較表

銀行名 SBI新生銀行のロゴ 住信SBIネット銀行のロゴ
サービス名 SBI新生コネクト
※ダイヤモンドステージ
SBIハイブリッド預金
(預り金自動スィープサービス)
SBI証券の
買付余力への反映
反映されない 反映される
証券口座への
自動入金
投信積立の設定金額
※株式等の場合は手動で入金
株式取引、投資信託、
国内ETF、債券、
先物オプション、ワラント
の買付代金
銀行の優遇金利 年0.3%(税引前)
※ダイヤモンドステージ
年0.11%(税引前)
※SBIハイブリッド預金
他行宛振込手数料
の無料回数
月10回
※ダイヤモンドステージ
月1~20回
⇒ランク2で月5回
提携金融機関ATM
手数料の無料回数
無制限
※ダイヤモンドステージ
月2~20回
⇒ランク2で月5回
定額自動振込 なし あり
定額自動振替 なし あり
定額自動入金 なし あり
米ドル/円
為替手数料
通常 6銭 6銭(片道)
積立 0銭(買付時)

 

ご覧のように、「SBI新生コネクト」と「SBIハイブリッド預金」はサービス内容が異なり、一長一短があります。

 

そして先に結論を言うと、SBI証券では(現金決済による)投信積立が中心で、貯蓄用口座として利用するならSBI新生銀行の「SBI新生コネクト」のほうがおすすめです。

 

一方、SBI証券で株式や投資信託などを積極的に取引をして、投資用口座として利用するなら住信SBIネット銀行の「SBIハイブリッド預金」のほうがおすすめです。住信SBIネット銀行は、家計費を管理する生活用口座としても便利で優れています。

 

次章からは、SBI新生コネクトのメリットを掘り下げて解説していきます。

 

\2つの口座連携サービスが選べる/

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3. SBI証券から見た「SBI新生コネクト」のメリット5つ

メリット
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

SBI証券のユーザーから見たSBI新生コネクトの主なメリットは、次の5つです。

 

 

それぞれ解説します。

メリット①:「振替なし」でSBI証券と自動入出金ができる

SBI新生コネクトの仕組み
(引用:SBI新生銀行)

 

SBI新生コネクトで意外と知られていないメリットが、SBI新生銀行で「振替」をしなくてもSBI証券との自動入出金ができること。

 

SBIハイブリッド預金の場合、下図のように住信SBIネット銀行の代表口座(円普通預金)に入金したお金は、アプリやWEBサイトにログインして「振替」をしないとSBI証券の買付余力に反映できません。

 

SBIハイブリッド預金の仕組み
■「SBIハイブリッド預金」の仕組み (引用:住信SBIネット銀行)

 

一方、SBI新生コネクトなら、提携しているコンビニATM(セブン銀行やローソン銀行)などから入金するだけでSBI新生銀行の円普通預金に反映され、SBI証券との自動入出金が可能になります。

 

メリット②:SBI証券の口座に残高がなくても「投信積立」ができる

投信積立のイメージ図
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

SBI新生コネクトを利用すると、SBI証券の口座に残高(預り金)がなくても、SBI新生銀行の円普通預金口座から投信積立の設定金額を自動入金して投信積立ができます。

 

三井住友カードなどによるクレカ積立の場合は関係ありませんが、証券口座の預り金から投信積立をする場合、買付日に証券口座に残高がないと買付が実行されません。そのため、本来であれば、SBI証券にログインして提携銀行から「即時入金」したり、SBI証券が指定した自分専用の振込口座に「銀行振込」をしたりして入金する必要があります。

 

しかし、SBI新生銀行に設定金額以上の残高があれば、SBI証券の残高を気にすることなく毎月確実に投信積立を実行できます。

 

その際、会社の給与振込口座をSBI新生銀行に指定しておき、給料日の翌日に積立買付が実行されるように設定しておけばより安心です。

 

なお、SBI新生銀行で自動入金サービスに対応しているのは今のところ投信積立だけとなっており、SBI証券で株式取引に使う資金をSBI新生銀行から入金する場合は手動で行う必要があります。

 

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メリット③:SBI証券の預り金をSBI新生銀行に「自動出金」できる

自動出金のイメージ図
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

SBI新生コネクトを利用すると、SBI証券で投資に回していない預り金を、毎営業日の16時ごろにSBI新生銀行の口座に自動出金できます(SBI証券からの出金は毎営業日の15時30分ごろ)。

 

通常、SBI証券から手動で出金する場合は、次のように時間がかかります。

 

  • 営業日の15時30分までに出金指示した場合:翌営業日
  • 営業日の15時30分以降に出金指示した場合:翌々営業日

 

しかし、SBI新生コネクトの「自動出金サービス」を利用してSBI証券の預り金をSBI新生銀行に出金できるようにしておけば、円普通預金口座で金利もついて待機資金を有効活用できます。

 

もし明日購入したい株式がある場合は、自動出金を「利用しない」に設定しておけばSBI証券に資金を残しておくこともできます。

 

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■「SBI証券のATMカード」について

2020年10月2日までは、「SBI証券のATMカード(キャッシュカード)」を使って、コンビニにあるATMなどでSBI証券の口座から直接出金することができました。

しかし、ATMカードの新規発行は2020年7月4日に終了。SBI証券で当日に出金できる手段はなくなりました。


メリット④:最上位の「ダイヤモンドステージ」が自動適用されて様々な優遇がある

SBI新生銀行のステップアッププログラムの5つのステージ
(引用:SBI新生銀行)

 

SBI新生銀行には、取引や残高に応じて5つのステージ(会員ランク)があり、ステージアップすると優遇サービスを受けられる「ステップアッププログラム」という仕組みがあります。

 

本来、最上位の「ダイヤモンドステージ」になるためには、指定された投資商品を年間で2,000万円以上保有する必要があります。しかし、SBI新生コネクトに申し込むと、翌々月からいきなりダイヤモンドステージが適用されます。

 

ここでは、数あるダイヤモンドステージの特典からおすすめの内容を厳選して3つ紹介します。

・特典①:年0.3%(税引前)の優遇金利が適用

ダイヤモンドステージの優遇金利
(引用:SBI新生銀行)

 

SBI新生銀行の通常の円普通預金の金利は年0.11%(税引前)ですが、SBI新生コネクトの設定をしてダイヤモンドステージになると年0.3%(税引前)の優遇金利が適用されます。これは、他行と比べても高水準。

 

そのため、SBI証券で投資に回していない資金をSBI新生銀行に自動出金したり、複数の銀行に分散させている預金をSBI新生銀行に集約したりすると、余剰資金を有効活用できます。

 

筆者もこの年0.3%の高い金利に魅力を感じ、8月からSBI新生銀行を貯蓄用口座として活用しています。たとえば300万円を預金すると、1年間で9,000円(税引前)の利子を受け取れる計算になります。

 

■お知らせ

 SBIハイブリッド預金とSBI新生コネクトは併用できません。しかし、SBI証券ユーザーであれば、SBIハイブリッド預金を利用しつつ、SBI新生銀行の口座を開設して口座振替契約をするだけでダイヤモンドステージとなり、円普通預金で年0.3%(税引前)の優遇金利が適用されます(参照:SBI新生銀行『SBI証券の口座保有者に円普通預金年0.3%を提供』)。

 

・特典②:インターネットによる他行宛振込手数料が月10回まで無料

SBI新生銀行の他行宛振込手数料無料回数(ステージ別)
■SBI新生銀行の他行宛振込手数料無料回数(ステージ別) (引用:SBI新生銀行)

 

SBI新生コネクトの設定をしてダイヤモンドステージが適用されると、インターネットによる他行宛振込手数料が月10回まで無料になります。

 

最も低いランクのスタンダードの場合は月1回までしか無料にならないため、振込回数の多い人はSBI新生コネクトに申し込むと手数料を節約できます。

 

・特典③:コンビニATMの手数料が無料

提携コンビニATM
(引用:SBI新生銀行)

 

SBI新生銀行では、シルバーランク以上で提携コンビニATMの手数料が無制限で無料になります。


 

SBI新生銀行の提携金融機関ATM出金手数料(ステージ別)
■SBI新生銀行の提携金融機関ATM出金手数料(ステージ別) (引用:SBI新生銀行)

 

SBI新生銀行でSBI新生コネクトの設定をするとダイヤモンドステージが自動適用されるので、セブン銀行やローソン銀行、イオン銀行などのATMを手数料無料で何度でも利用できます。

 

そのため、コンビニATMを頻繁に利用して数料を払っている人は、SBI新生コネクトに申し込むことで大幅なコスト削減につながります。

 

メリット⑤:SBI新生銀行のサイトからSBI証券の保有資産を確認できる

銀行のサイトから証券会社の保有資産を確認するイメージ図
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

SBI新生コネクトを利用すると、SBI新生銀行のサイトからSBI証券の保有資産を確認できます。

 

預金口座と証券口座の残高が1回のログインで確認できるので、資産管理に役立ちます。

 

\SBI新生コネクトの利用手数料は無料/

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4.「SBI新生コネクト」のデメリット(注意点)

デメリット
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

メリットの次は、SBI新生コネクトを使うときのデメリット(注意点)について触れておきます。

 

 

それぞれ解説します。

デメリット①:「SBIハイブリッド預金」と併用できない

SBI新生コネクトとSBIハイブリッド預金は併用不可
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

繰り返しになりますが、「SBI新生コネクト」と「SBIハイブリッド預金」は併用きません。

 

そのため、SBIハイブリッド預金を利用している人がSBI新生コネクトに変更する場合は、SBIハイブリッド預金を「休止」する必要があります(やり方は5章で解説)。

 

ただし、一度変更してもSBIハイブリッド預金に戻すこともできるのでご安心ください。

 

デメリット②:自動入金は「投信積立」の設定金額のみ

投信積立のイメージ図
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

メリット②でもお伝えしたように、SBI新生コネクトを利用してSBI新生銀行からSBI証券に自動入金できるのは、今のところ投信積立の設定金額のみです。

 

そのため、国内株式や投資信託などを積極的に取引したい人は、投信積立以外で使う資金も買付余力に反映されるSBIハイブリッド預金のほうが向いています。

 

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5.「SBI新生コネクト」の始め方(設定方法)

SBIハイブリッド預金の設定方法(申し込み方法)
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

SBI新生コネクトを利用するには、SBI証券SBI新生銀行の両方の口座が必要です。

 

ここでは、SBI証券と住信SBIネット銀行の口座を持っていてSBIハイブリッド預金を利用している人が、SBI新生銀行の口座を開設してSBI新生コネクトを始める“流れ”を紹介します。

 

■「SBI新生コネクト」を始める流れ

 

  1.  住信SBIネット銀行にログイン
  2. 「お客様情報照会・変更」をクリック
  3. 「SBI証券連携サービス」を選択
  4.  SBIハイブリッド預金を休止する
  5.  WEBパスワードを入力して完了
  6.  SBI証券にログイン
  7.  上部メニューの「銀行」をクリック
  8. 「SBI新生銀行の口座開設はこちら(銀行代理業)」を選択

 

SBI証券からSBI新生銀行の口座を開設する画面が少しわかりにくかもしれませんが、カッコで(銀行代理業)と書かれた次のようなバナーがあるはずです。

 

SBI新生銀行の口座開設はこちら(銀行代理業)

 

SBI新生銀行のサイトから直接開設をすることもできますが、SBI証券のサイトを経由する上記の方法のほうが、SBI証券に登録している情報を引き継いで入力を進めることができておすすめです。

 

■キャンペーン情報

SBI新生銀行では、SBI新生銀行の口座を新規に開設すると最大31,000円相当のキャッシュをプレゼントするウェルカムプログラムを実施中です。

 

6. よくある質問

Q&A
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

最後に、SBI新生コネクトに関するよくある質問に3つ回答します。

Q1. SBI新生コネクトに申し込むと「サービス申込/申込エラー」と表示される原因は?

SBIハイブリッド預金を利用していることが考えられます。「SBI新生コネクト」と「SBIハイブリッド預金」は併用できません。

 

5. SBI新生コネクトの始め方」を参考にして、SBIハイブリッド預金の利用を休止してください。

 

Q2. SBI新生コネクトは「新NISA」でも利用できますか?

利用できます。SBI証券の新NISA(つみたて投資枠)の積立額を買付日にSBI新生銀行から自動入金して、投資信託の積立買付ができます。

 

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Q3. ダイヤモンドステージになるには、SBI証券で「投信積立」をする必要はありますか?

いいえ。投信積立をしなくても、SBI新生コネクトに申し込むだけでダイヤモンドステージが適用されます。

 

7. まとめ:「SBI新生コネクト」が向いている人は?

SBI新生銀行池袋支店の外観

 

この記事では、SBI証券とSBI新生銀行の口座連携サービス「SBI新生コネクト」について解説しました。

 

最後に、SBI新生コネクトはどのような人に向いているかを整理しておきます。

 

■SBI新生コネクトがおすすめの人

 

  • メインバンクがSBI新生銀行の人
  • (現金決済による)投信積立がメインの人
  • クレカ積立で月10万円を設定し、それ以上の額を現金で投信積立したい人
  • 三井住友カードによるクレカ積立のポイント付与率が0.0%になってしまう人
  • SBIハイブリッド預金で振替をするのが面倒な人
  • 他行への振込回数が多い人
  • コンビニATMをよく利用する人

 

11月買付分から三井住友カードによるクレカ積立のポイント付与率が0.0~最大3.0%にダウンしたことに伴い、年間のカード利用額が10万円未満で付与率が0.0%になってしまう人は、投信積立の決済方法をSBI新生コネクト(現金決済)に変更するのも選択肢の1つです。

 

※ クレカ積立分を除く年間カード利用額やカードのランクによってポイント付与率は異なります。特典を受けるには一定の条件がございますので、三井住友カードのHPをご確認ください。

 

SBI新生銀行のダイヤモンドステージになるとSBI新生銀行で0.3%(税引前)の優遇金利が適用され、0.0%になったポイント還元分を少しですがカバーできます。

 

また、クレカ積立の上限は月10万円なので、それ以上の額を現金で投信積立したい人にもSBI新生コネクトはおすすめです。

 

本記事を参考にしてSBI証券とSBI新生銀行の口座を同時開設し、SBI証券で賢く取引を始めましょう。

 

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