(※写真はイメージです/PIXTA)

中国が定期的に“不穏な動き”をみせる尖閣諸島問題。日本は「遺憾の意」を示すものの実質放置。同盟国であるアメリカも我関せずの姿勢です。日本人としてこうした状況に不安を覚える人も少なくありませんが、東京大学名誉教授の矢作直樹氏と、世界の金融や国際協議の実務にかかわる宮澤信一氏は、こうした対応にはワケがあるといいます。詳しくみていきましょう。

アメリカのホンネ…「尖閣諸島なんてどうでもいい」

【矢作】尖閣諸島については、中華人民共和国の人民解放軍がこちらの様子見として変なことをしていると言えます。尖閣諸島で、アメリカから見て本当に具合の悪いことが起これば決して野放しにはしないでしょう。今のところは、アメリカにとって問題ないから放っているわけです。

 

【宮澤】尖閣諸島が軍事的要衝であり、日本の国益にとって非常に地政的に重要な意味合いを持つ島だとしたら、アメリカの海兵隊がすぐに行きます。掘っ建て小屋でもいいからすぐに建物を建てて通信を設備します。

 

尖閣諸島はもちろん日本の大事な領土です。あそこを乗っ取ろうとしているのは誰か、という問題なんです。ロシアだったら話は別です。

 

しかし、尖閣諸島に手を出しているのは、アメリカにとってはいざとなったらすぐに制圧できる中華人民共和国です。

 

【矢作】繰り返しになりますが、アメリカの国益上、本当にまずかったら決して野放しにはしないでしょう。

 

アメリカの歴史を多少なりとも学んで思ったのは、彼らの実利的な感覚というのはものすごく厳しいものだ、ということです。彼らから見れば尖閣諸島はどうでもいいから放ってあるわけです。

 

もしも私がアメリカの然るべきポジションにいるとしたら、腑抜けの日本人の心を少しでも回復させるために尖閣諸島の問題は泳がせます。いざとなったら、ガツンとやれば終わりにできますからね。

 

今、アメリカが、中華人民共和国がどうのこうのと盛んに危機をあおっているのも、日本という国にそこそこまともになってもらうためにやっていることでしょう。日本としては、それはよかったね、ぐらいの感覚で見ることだってできると思うんですね。

 

アメリカと中華人民共和国の国力はあまりにも違い過ぎます。例えば、そこら辺で悪さをしている赤ちゃんは、おさえつけるだけだったらいつだってできる、といった感じでしょう。

 

危機のテンションをつくるのは、いわゆる軍産複合体を含めた利権構造のテクニックだと言われますが、私は日本はそんなものを超えた目で見ていればいいと思っています。

 

日本人が本当に覚醒したらえらいことになるのでアメリカは日本をおさえつけるでしょうけれども、まともな国になるぐらいだったらむしろ大歓迎だと思います。

 

今、日本は生物として見るととても不自然です。自分の腕を平気で半分切っちゃうような人たちが国民をやっている。アメリカも、危なっかしくてやっていられない、と思いますね。

 

ともに利益を追求しましょう、国防上の安全保障も一緒にやりましょう、と言っている時に、守られるべき当の日本国民が安全保障を理解していないのなら、アメリカもやっていられないでしょう。

 

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    ※本連載は、矢作直樹氏と宮澤信一氏の共著『世界を統べる者 「日米同盟」とはどれほど固い絆なのか』(ワニブックス)より一部を抜粋・再編集したものです。

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    矢作 直樹

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