お腹を温めると腸内の発酵が促進!?
大腸の発酵タンクは37℃程度で最適に動くとされています。寒さにさらされお腹が冷えると、腸内の温度も低下しやすくなり、発酵がスムーズに行われなくなります。
また、私たちは経験的に、お腹を温めると腸が動いて、便通が良くなることを知っています。これらのことから、温めることも腸の動きを良くし、便秘を解消するとともに、腸の発酵状態を良くすることにつながると考えられます。
私たちの身体は、体温が高いほど免疫力が活性化するといわれますが、これも全身の免疫の約6割を占める腸が温まることで、その働きが良くなることを考えれば当然のことといえるでしょう。
言葉を変えれば、お腹を温めることは、身体全体の免疫力を効率よく高めることにつながるといえます。
マッサージの併用で温め効果がアップ
温めるといえば、最も身近な方法は「入浴」でしょう。熱めのお湯にさっと入って出る、〝カラスの行水〟を好む人も多いようですし、若い人の中にはシャワーですませてしまうという人も多いようです。
しかし、お腹をじっくり温めるのなら、ぬるめの湯温でゆっくりと湯船に入るほうが効果的です。さらに、入浴中やお風呂上がりに、お腹をマッサージすると温め効果がよりアップします。
また、腸の動きも良くなるので便秘解消にもつながるでしょう。マッサージの一例を挙げますと、手の平をお腹に当て、おへそを中心に時計回りに20回程度さするのが、簡単で続けやすいと思います(図表参照)。
座っていても立っていても行えますが、注意したいのは、ぎゅうぎゅうと強い力で押すのではなく、手の平全体を使って軽く動かすことです。私などは何回かさすっていると、腸がごろごろ、と鳴ることがよくあります。
[図表] マッサージ方法