快適な排便を促進する「自律神経のバランス」

前回は、日常生活に取り入れたい「腸に刺激を与える」運動習慣について解説しました。今回は、快適な排便を促進する「自律神経のバランス」について見ていきます。

「排泄の抑制と促進」をつかさどる自律神経の働き

ストレスを強く感じていたり、そのために夜、よく眠れなくなったりすると、便秘になりやすいということは、多くの人が経験しているのではないかと思います。

 

私たちが日常、自然に行っている呼吸や、食べ物の消化・吸収、排泄などはすべて、自律神経が関わっています。例えば暑いと汗をかいたり、びっくりすると心臓の鼓動が速くなったりしますが、これらは私たちが自分の意志でできるものではありません。自律神経が、私たちの意志とは関係なく調整しているのです。

 

自律神経には交感神経と副交感神経があり、この二つの神経がバランスよく働くことで、生きる上での営みが円滑に行われています。交感神経は、主に身体活動を活発化させるよう働く神経です。血圧が上がったり、筋肉が緊張して凝ったり、という身体の変化も同様です。

 

一方、副交感神経は、主に身体をリラックスさせるよう働く神経です。こちらの働きが強まっているときには、心臓の拍動がゆっくりになり、血管が拡張して血流が良くなります。

 

交感神経と副交感神経はどちらが良いというものではなく、バランスをとりながら働くのが良いとされています。一般的に、日中は交感神経が活発になるので身体も活動に適した状態になり、夜、休息しているときには副交感神経が優位にたつのでリラックスしてよく眠れる、ということがいえます。

 

排便に関しては、交感神経は排泄を抑制し、副交感神経は促進するように働くとされています。したがって、ストレスがたまるなどで緊張状態が続き、リラックスできないと、便秘になりやすいのです。

「睡眠不足」では朝の便意が起こりにくい!?

睡眠も排便と深く関係しています。人は一生の約3分の1は睡眠に費やしますので、このときぐっすり眠れていないと、副交感神経が優位にならず、ストレスが解消できません。ご存知の通り便意は一般的に朝、起こりやすいものですが、睡眠不足のまま朝を迎えると、身体のほうは緊張状態がとれず、リラックスできていないために、便意が起こりにくいのです。

 

悪いことに、便秘になるとお腹が張ったり重苦しくなるため、それが原因で夜、よく眠れなくなるという負の連鎖を起こしてしまうことにつながりかねません。

 

ぐっすり眠る、ということは、一日の疲れをリセットし頭もすっきりさせるだけでなく、腸にとっても大事なことなのです。そのためには、やはり日中、よく動くことがポイントなのではないでしょうか。

 

また、夜遅くまでパソコンやスマホを見ていると目がさえてしまう、ということは私自身にも経験があり、良い眠りの妨げになると思います。できるだけ規則正しい生活リズムを保ち、夜更かしをしないことを心がけています。

株式会社光英科学研究所 代表取締役

昭和15年山口県山口市生まれ。昭和34年に電子工学系専門学校を卒業後、義報社に入社。同社の大谷光瑞農芸化学研究所にて、乳酸菌生産物質の生みの親である正垣一義氏に師事し、乳酸菌の培養技術を学ぶ。昭和44年、光英科学研究所を設立。以降、約50年にわたり「乳酸菌生産物質で、世界人類の健康増進に貢献する」という理念のもと独自の研究開発を行い、現在も多くの人の健康長寿に貢献し続けている。

著者紹介

連載胃腸を整えるための「生活習慣」のポイント

本連載は、2016年4月30日刊行の書籍『不老「腸」寿』から抜粋したものです。記載内容は予防医学の観点からの見解、研究の報告であり、治療法などの効能効果や安全性を保証するものではございません。

不老「腸」寿

不老「腸」寿

村田 公英

幻冬舎メディアコンサルティング

本書では、約50年の長きにわたり乳酸菌の研究を行ってきた著者が、本当に効果のある腸内改善のノウハウについて解説していきます。 「乳酸菌生産物質」を活用した腸内改善を行えば、100歳まで健康に長生きすることが可能にな…

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