若い政治家ばかりが参加
中国の“債務のわな”に関する懸念が高まる中、スリランカの国会議員を含む若手連立政権メンバー15名が、中国共産党の招きで中国へファムトリップ(親善旅行)に出発した。
ラニル・ウィクラマシンハ大統領率いる統一国民党(UNP)から5名、マヒンダ・ラージャパクサ前大統領率いるスリランカ・ポドゥジャナ・ペラムナ(SLPP)から10名が、中国2省への9日間のツアーに参加した。
インドと米国は、スリランカでの影響力を維持するため、その脅威となり得る中国の動きを注視しており、この動きはさらなる懸念を呼び起こすことになりそうだと、政治アナリストは指摘する。中国は、26年間に及ぶスリランカでの内戦が終結した2009年以降、スリランカにとって最大の融資先の1つである。加えて、北京からの融資は、スリランカを現在の未曾有の経済危機と債務不履行に導いたという批判を、インドと米国を中心とした国際社会から受けている。
インドと米国は、スリランカにおける中国の影響力の増大に懸念を示し、北京がスリランカに軍事基地を設置する可能性について疑問を呈している。北京はすでに、南部のハンバントタ港とコロンボ港に隣接する埋立地に港湾都市を所有している。
北京のファムトリップは、これまでも中国が有力者、専門家、ジャーナリストを対象に実施してきたもので、珍しいものではない。今回のツアー参加者は、将来、議員を目指す若い政治家たちだ。
一行は土曜日までの3日間、雲南省昆明市に滞在し、省中共幹部との会談、「地域の特性に応じた貧困削減と農村活性化の経験」についてのセミナーへの参加、モデル村や近代的な農業地の視察などを行う予定だ。
背景には一帯一路構想が…
残りの日程で、スリランカの政治家たちは福建省と首都北京を訪問する予定だ。福建省では、“質の高い”一帯一路構想(BRI)協力と地域諸国の発展機会に関するセミナーに参加する予定である。
「スリランカは一帯一路構想における中国の戦略的パートナーの1つであり、島国の北京資金によるインフラのほとんどは一帯一路構想の下にある」とスリランカ政府関係者は述べている。
北京で、一行は中国共産党中央委員会の専門家に会う予定だ。
SLPPではスリランカの議員であるD V チャナカ氏とラージャパクサ前大統領の甥であるニプナ・ラナワカ氏が代表を務めている。
党書記が署名した公式文書によると、中国に出発したSLPP代表団の他のメンバーは以下の通りである: ミリンダ・ラジャパクサ(元地方議員/国家開発メディアセンター所長)、ラビンドラ・サマラウィクラマ(上級講師)、ウダラ・ウィジェシンゲ(カシューコーポレーション会長)、カニシカ・バンダラ(ロンドンのLLB)、スダルマ・クラトゥンガ(ジャーナリスト)、スディマ・チャンダニ(地方自治体連合書記)、タンバイラジャ・タジェバラン、ゴラカピティヤゲ・シャミンダ・アルナシャンサ。
UNPからは、ルワン・ウィジェワルダナ元州首相、エランティ・ランガ・バンダラ、ジェヤラジ・ビシュヌラージ、サジャナ・ソーリヤラッキ、ドゥミンダ・アッティガラが代表団に参加した。
代表団は28日にスリランカに帰国する予定である。