(※写真はイメージです/PIXTA)

日本国民の多くは「日本は国家として独立している」という認識です。しかし、東京大学名誉教授の矢作直樹氏と、世界の金融や国際協議の実務にかかわる宮澤信一氏は、複数の明確な理由から「日本は真の独立国とはいえない」と断言します。いったいなぜなのか、ほとんどの国民が気づいていない「非独立国・ニッポン」の真相をみていきましょう。

日本が「独立国」となるための“落としどころ”

【矢作】まずは2島を返還してもらって、というような話をよく聞きますが、それは結局、領土とはなにかということから言うと的外れな議論ですね。賢い取引という感覚でいるのでしょうけれども。

 

腕を落としちゃった。技術が進んで腕をくっつけられるようになった。でも、もしかしてくっつかないと困るから、様子見でとりあえず半分くっつけてもらいましょう。そう言っているようなものです。腕とはなにか、という議論が抜けてしまっています。

 

国民に気合が入っていて、首相が決めたことを、良かったですねパチパチ拍手、と理解できるぐらいの民度であるなら、外務省も文句は言えなかったでしょう。

 

【宮澤】日本には現在、6,852の島があります。本当は、6,856ないといけない。そして日本は、領海を含めた排他的経済水域の面積が世界で第6位の海洋国家です。だからこそなお、海洋国家としての独立をちゃんと果たさなければ駄目だという話になるんです。

 

独立の定義にはいろいろな議論がありますが、いずれにしても、本当の意味での主権国家として独立し、国連に登録し直すことが必要です。そのためには、北方諸島復帰と日本の軍事化が果たされなければなりません。

 

日本は現在、軍事力という言葉を使ってはいけないことになっています。専守防衛という概念があるので、防衛力としか言えない。

 

本当は軍事化しなければ駄目です。海上自衛隊は今、「いずも」と「かが」の護衛艦2隻を事実上の空母に改修する計画を進めていて、2024年度以降に配備される予定になっています。軍事化のひとつの足掛かりができましたが、本当の空母を空母として造らなければ駄目です。

 

 

矢作 直樹

東京大学名誉教授

宮澤 信一

国際実務家

 

※本連載は、矢作直樹氏と宮澤信一氏の共著『世界を統べる者 「日米同盟」とはどれほど固い絆なのか』(ワニブックス)より一部を抜粋・再編集したものです。

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※本連載は、矢作直樹氏と宮澤信一氏の共著『世界を統べる者 「日米同盟」とはどれほど固い絆なのか』(ワニブックス)より一部を抜粋・再編集したものです。

世界を統べる者 「日米同盟」とはどれほど固い絆なのか?

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矢作 直樹

ワニブックス

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