今週も「米利上げ」をめぐって上下に不安定な展開か
今週は先週のCPIなどのインフレ指標ほどに注目を集める米経済指標の発表はありませんが、それでも月曜日のNY連銀製造業景気指数や木曜日の通称「フィリー」、フィラデルフィア連銀景況指数などの米景気指標の発表が予定されているため、それらを受けて5月FOMC0.25%利上げ見通しに変わりがないかが米ドル/円の行方を考える上で最大の焦点となりそうです。
より具体的には、この間の米ドル/円は、図表2のように米金融政策を反映する米2年債利回りとおおむね連動してきたので、米2年債利回りの動きが注目されるところとなるのではないでしょうか。
その米2年債利回りは、現在5%まで引き上げられた政策金利、FFレート誘導目標上限を一時は1%以上と大きく下回りました(図表3参照)。それはまさに、5月利上げ見送りや、早期の利下げを織り込んだ結果だったでしょう。
しかし、すでに見てきたように5月FOMCでは、FFレート上限をさらに5.25%へ引き上げるとの見方が強まり、一部には6月FOMCでの利上げ予想もあるようです。こういったなかで、米2年債利回りがFFレートにどれだけ接近するまで上昇するかは、米ドル高・円安へどこまで戻るかを考える上で直接の目安となる可能性があるでしょう。
ちなみに、3月以降の米ドル/円と米2年債利回りの相関関係を前提にすると、米ドル/円が135円以上に上昇するためには、米2年債利回りが4.5%以上に上昇する必要がありそうです(図表4参照)。
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