「4月11日~17日のFX投資戦略」のポイント
〈ポイント〉
・先週は金融システム不安を受けた米景気の先行き懸念から米ドル/円は一時130円割れ近くまで下落した。
・今週も米3月CPIなど引き続き米経済指標の結果に一喜一憂する展開が続きそう。10日の植田新日銀総裁の記者会見にも注目。
・今週はまだ米ドル/円の上値が限られ、129~134円中心での不安定な展開を予想。
先週の振り返り=米景気の先行き懸念が拡大
先週の米ドル/円は、週初には前週までの米ドル高値を更新、134円近くまで上昇したものの、その後は発表された米景気指標が相次いで予想より弱い結果だったことを受けて、米金利低下再燃となったことに連れる形で米ドル下落へ転換しました。
ただ、金曜日に発表された米3月雇用統計がほぼ事前予想通りの結果だったことから、5月FOMC(米連邦公開市場委員会)での利上げ観測が再燃、米金利が上昇し、米ドルも132円台まで反発しての越週となりました(図表1参照)。
改めて、先週発表された主な米経済指標について見てみましょう(図表2参照)。
ISM(米供給管理協会)の製造業、非製造業の景気指数はともに予想以上の悪化となりました。また、幾つかの雇用関連の指標が悪化したことも、米景気への不安を強めるところとなったようです。
雇用の悪化が広がると、米GDPのなかで圧倒的なウェートを占めている個人消費が落ち込むことで、いよいよ景気が急減速に向かうとの懸念が高まるためでしょう。
こういったなかで、すでに述べたように、金曜日に発表された雇用統計はほぼ事前の予想通りの結果となりました。これにより、景気への先行き懸念が拡大するなかで、5月FOMCでも利上げを見送るとの見方が強まっていたところから、改めて0.25%の追加利上げ予想が優勢となったようです。
このため、一時は3.7%程度まで低下していた金融政策に敏感に反応する米2年債利回りも4%近くまで反発し、米ドル/円もそれに連れる形で132円台を回復しました(図表3参照)。
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