(※画像はイメージです/PIXTA)

足元の為替市場では植田新総裁の会見や、CPI(消費者物価指数)をはじめとした米の各種指標の発表を受けて、不安定な相場展開が続いています。そのようななか、マネックス証券・チーフFXコンサルタントの吉田恒氏は「米国2年債の利回り」から、米ドル/円の水準が予想できるといいます。詳しくみていきましょう。

「4月18日~24日のFX投資戦略」のポイント

〈ポイント〉

 

・先週の米ドル/円は132~134円中心に方向感の乏しい展開に終始。3月の米経済データは、予想以上にインフレ是正、景気減速を示すものが多かったが、5月米利上げ継続との見方が強まると、「米金利低下=米ドル安」も行きづまった。

・今週も5月米利上げ継続を巡る思惑が交錯するなかで、米ドル/円は上下に不安定な展開が続きそう。予想レンジは132~135円中心で想定。

意外に行きづまった「米金利低下=米ドル安」

先週は、週初は日銀の植田新総裁の記者会見に注目が集まり、植田総裁が現在の金融緩和を継続する方針を示したことで133円を大きく超えて米ドル高・円安が広がりました。

 

ただその後は、週半ばに発表されたCPI(消費者物価指数)、PPI(生産者物価指数)といった3月の米インフレ指標の上昇率がともに予想以上に低下したことから、5月FOMC(米連邦公開市場委員会)での利上げ見送り観測も浮上し、米金利低下に連れる形で徐々に米ドル売りが広がりました(図表1参照)。

 

出所:マネックストレーダーFX
[図表1]米ドル/円の日足チャート(2023年1月~) 出所:マネックストレーダーFX

 

その後、金曜日に発表された米3月小売売上高も予想以上に悪化したことから一旦は米ドル売りに反応したものの、FRB(米連邦準備制度理事会)理事のタカ派発言や、ミシガン大学・消費者期待インフレ率が大幅上昇となったことなどから米金利が比較的大きく上昇すると、米ドルも133円台後半まで買い戻されるところとなりました(図表2参照)。

 

出所:リフィニティブ社データよりマネックス証券が作成
[図表2]米ドル/円と米2年債利回り(2023年3月~) 出所:リフィニティブ社データよりマネックス証券が作成

 

改めて、先週発表された主な米経済指標について具体的に確認してみます。

 

・CPI(前年比上昇率)=予想5.2%、結果5%

・PPI(前年比上昇率)=予想3.1%、結果2.7%

・小売売上高(前月比)=予想-0.5%、結果-1%

・ミシガン大学・消費者期待インフレ率(一年先)=前回3.6%、今回4.6%

 

3月に金融システム不安が急浮上して以来、信用収縮の広がりなどにより、インフレ是正が進捗する一方で、景気減速への懸念が高まりました。先週発表された米経済指標では、それが予想以上だったことを示すものが多かったと言えそうです。

 

上述の4つの指標の中でも、ミシガン大学の消費者期待インフレ率以外の3つはまさにそういう評価になりそうです。

 

その割には、先週の「米金利低下=米ドル安」も意外に行きづまったといった印象があります。これはやはり、金曜日のFRB理事の発言や、ミシガン大学の消費者期待インフレ率などを受けて、5月FOMCでの0.25%利上げ予想が優勢となり、利上げ見送りとの見方が後退したことが大きいと言うことになるでしょうか。

 

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