文章生成機能に注目が集まる対話型AIの「ChatGPT」。こうした人工知能の活用は、ビジネスや日常生活にどのような影響を与えるのでしょうか。ITライターとして活躍する酒井麻里子氏(以下酒井)が聞き手となり、株式会社デジタルレシピ取締役・最高技術責任者である古川渉一氏(以下古川)が、「ChatGPT」の今後について対話形式で解説します。
対話型AIの発展でできるようになることは?
ChatGPTなどの対話型AIは、今後どのように発展していくのでしょう? 個人に合わせた研修や専門職のサポートなどではとくに可能性があるといいます。さらに、その先のAIの進化についても聞いてみました。
パーソナライズした教育が可能になる!?
酒井:ChatGPTの回答を調整するために「小学校1年生にわかるように」などの指定をすることが有効なのですよね。
古川:そうですね。具体的な指定によって回答の精度が上がります。
酒井:そこから一歩進んで、「最初からその人に合わせた会話をしてくれるAI」を作ることも可能ですか?
古川:できると思いますよ。調べものなどの用途というより、教育・研修の領域で大きな可能性があると思っています。
酒井:たとえば、自分の年齢やどの程度の知識を持っているかを事前にAIに教えておくことで、質問に対して自分に合ったレベルで答えてもらえるというイメージでしょうか?
古川:そうですね。パーソナライズできることは、AIの大きな強みだと思っています。いずれは、ビジネス書の内容を読者の年齢や経験に合わせて変えるといったことも可能になるかもしれませんよ。
酒井:誰もが「自分専用に作られたコンテンツ」を手に入れられるようになるという感じですね。
専門家をサポートするAIも登場してくる
酒井:この先、ChatGPTが進化していくとしたら、どんな形になっていくんでしょうか?
古川:AIモデル自体の進化というより、ファインチューニングの話になりますが、もとのモデルに専門性の高い情報を追加で学習させた、専門家をサポートするAIが登場してくるのではないかと考えています。
酒井:たとえば、どんな分野の専門家ですか?
古川:弁護士や医師などは、サポートできる可能性が高いと思いますよ。
酒井:たとえば、弁護士のためのAIなら、六法全書をAIに学習させるということですか?
古川:そうですね。六法全書や判例、裁判例をそのまま学習させるのではなく、自然言語処理で会話として理解しやすい形に加工しておくことで、「この案件に近い裁判が過去にあったよね?」とたずねると、その判例や裁判例を出してくれるといったことが実現すると思います。
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