介護保険料、「月額2,075円」から今や「3倍近く」に…。特養の空き待ち人数は「27万5,000人」という“厳しい現実”【老年医学の専門医が解説】

介護保険料、「月額2,075円」から今や「3倍近く」に…。特養の空き待ち人数は「27万5,000人」という“厳しい現実”【老年医学の専門医が解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

「死」と距離が生まれてしまった現代では、自分の死について考える機会がめっきりと減ってしまいました。ですが、死は誰にでも確実に訪れます。50万部超の大ベストセラー『80歳の壁』の著者、高齢者専門の精神科医である和田秀樹氏が、35年以上の高齢者診療で辿り着いた「極上の死に方」について、新刊『どうせ死ぬんだから 好きなことだけやって寿命を使いきる』(SBクリエイティブ)より解説します。

上がり続ける介護保険料、金額は3倍近くに跳ね上がり…

介護保険料が上がり続けているのは、ご存知ですか?

 

介護保険料は市町村(東京23区は区)ごとに決められます。各市町村では、3年ごとの改正のタイミングで保険料の基準額を見直します。

 

(※写真はイメージです/PIXTA)
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

介護保険の被保険者は、65歳以上の「第1号被保険者」と、40~64歳までの医療保険に加入している「第2号被保険者」とに分かれています。

 

「第2号被保険者」の介護保険料は、事業者との労使折半で、各医療保険者(健康保険組合、共済組合)ごとに計算方法が異なります。厚生労働省老健局の発表では、2000年の全国平均は月額2075円(事業主負担分、公費分を含む)でしたが、20年には5669円と3倍近くに跳ね上がっています。

 

2000年当初は月額2911円だった「第1号被保険者」の介護保険料も、18~20年までの全国平均は5869円に上がり、21年には6014円で、初めて6000円を超えました。値上がりの要因は、高齢化の進行と介護保険サービスを提供する事業所に支払う介護報酬の引き上げです。

 

すでにサービス利用者の自己負担割合も、所得に応じて1~2割から1~3割へ引き上げられています。

 

60歳で払い終わる年金とは違い、健康保険と同じく、介護保険料は65歳以降も払い続けなくてはなりません。あまり意識されていないかもしれませんが、介護保険料は一生払い続ける保険なのです。

本連載は、和田 秀樹氏の著書『どうせ死ぬんだから 好きなことだけやって寿命を使いきる』(SBクリエイティブ)から一部を抜粋し、再構成したものです。

どうせ死ぬんだから

どうせ死ぬんだから

和田 秀樹

SBクリエイティブ

50万部超の大ベストセラー『80歳の壁』の著者が35年以上の高齢者診療で辿り着いた死生観「どうせ死ぬんだから」。食生活や財産、医療との付き合い、死後のことまで、逝き方上手な高齢者から得た具体的な提案が満載。自分の死に…

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