◆要件3. 一定数以上の株式を受贈すること
後継者(受贈者)は、贈与後に、一定数以上の株式を保有していなければなりません。後継者の人数によって異なります。
まず、後継者が1人の場合は、後継者とその同族関係者の中で最も多くの議決権を有している(筆頭株主である)ことが必要です。なお、後継者と同じ割合の議決数を有する株主がいてもよいことになります(同率可)。
次に、後継者が2人または3人の場合は、各後継者が、贈与後において10%以上の議決権数を有し,かつ、各後継者が同族関係者のうちいずれの者が有する議決権数をも下回らないことが必要です。
同族関係者の中に、その後継者と同じ割合の議決権を有する株主がいてもよいことになります(同率可)。また、贈与者と後継者が同率であることは不可とされています。
◆要件4. その会社の株式について、一般措置の適用を受けていないこと
後継者が贈与により取得した株式について、既に一般措置の適用を受けている場合には、認定を受けることはできません。
◆要件5. 特例承継計画に記載された後継者であること
特例措置の適用を受けるにあたっては、特例承継計画の作成を求められますので、この計画に記載された後継者でなければ認定を受けることはできません。
「相続」における後継者の要件
株式を後継者に相続によって承継させる場合、特例措置の対象となる後継者の要件は以下の通りです。
【株式の相続の場合に特例措置の対象となる後継者の要件】
1. 相続開始の直前において役員であり、相続開始から5カ月後に代表者であること(例外あり)
2. 相続時において、後継者(相続人)とその同族関係者で総議決権数の過半数を保有していること
3. 一定数以上の株式を相続すること
4. その会社の株式について、一般措置の適用を受けていないこと
5. 特例承継計画に記載された後継者であること
◆要件1. 相続開始の直前において役員であり、相続開始から5カ月後に代表者であること(例外あり)
先代経営者の相続開始(死亡日)の直前において、後継者はその会社の役員であることが必要です。
ただし、例外があります。先代経営者(被相続人)が70歳未満で死亡した場合、または、相続開始の前に、特例承継計画を提出し、都道府県知事の確認を受けていた場合は、後継者は役員である必要はありません。
経営者が若くして急逝したような場合、後継者を選定するにあたっては、他社に勤務中のご子息を急遽後継者としてその会社の役員に据えるケースがあるため、先代経営者が70歳未満で死亡した場合等には、相続開始の直前において役員である必要はないとされています。
この場合でも、相続開始から5カ月以内には、後継者は代表者になっておかなければなりません。
相続開始から5カ月というのは、相続税の納税猶予の申請を都道府県に提出する申請基準日に当たり、この日(死亡日+5カ月)までに代表権を持つ必要があります。したがって、先代経営者が既に代表者を退任して、後継者に代表権を譲っている場合は、この要件を満たしていることになります。
◆要件2. 相続時において、後継者(相続人)とその同族関係者で総議決権数の過半数を保有していること
相続開始の時において、後継者(相続人)とその同族関係者で総議決権数の過半数を保有していることが必要です。
◆要件3. 一定数以上の株式を相続すること
後継者(相続人)は、相続後に、一定数以上の株式を保有していなければなりません。後継者の人数によって異なります。
まず、後継者が1人の場合は、後継者がその同族関係者の中で最も多くの議決権を有している(筆頭株主である)ことが必要です。なお、後継者と同じ割合の議決数を有する株主がいてもよいことになります(同率可)。
次に、後継者が2人または3人の場合は、各後継者が、相続後において10%以上の議決権数を有し,かつ、各後継者が同族関係者のうちいずれの者が有する議決権数をも下回らないことが必要です。同族関係者の中に、その後継者と同じ割合の議決権を有する株主がいてもよいことになります(同率可)。
◆要件4. その会社の株式について、一般措置の適用を受けていないこと
後継者が相続により取得した株式について、既に一般措置の適用を受けている場合には、認定を受けることはできません。
◆要件5. 特例承継計画に記載された後継者であること
特例措置の適用を受けるにあたっては、特例承継計画の作成を求められますので、この計画に記載された後継者でなければ認定を受けることはできません。
平賀 均
経済産業大臣認定中小企業診断士・ファイナンシャルプランナー(CFP認定者)・上級相続診断士・事業承継士・知的財産管理技能士