組織が機能的に動く「土台作り」、3つのポイント
組織が機能的に動くためには組織の土台作りが大切です。ここからは、3つのポイントをご紹介しましょう。
2.組織の決まりごとを明示する
3.ポジションごとの役割と責任範囲、権限を明示する
ポイント1.人と人、人と組織、組織と社会のつながりの構造を理解する
管理職はその組織の運営責任者です。自組織に不具合が生じたら責任者である管理職が是正する義務があります。不具合を是正するためには、不具合を起こしている対象の構造や作用機序を理解していなければなりません。
たとえば、「寒くなって久しぶりにエアコンで暖房を入れようとしたけれど反応しない」といったシチュエーションだと、多くの人はリモコンの電池が切れていないか、エアコン本体のプラグが抜けていないかを確認するでしょう。それでも反応しなかったら次は修理を呼ぶなどの行動に移るはずです。
いったん、自分でなんとかしようと動くことができたのは、「リモコンは電池で動く」「プラグが抜けているとエアコンは動かない」という構造と作用機序を経験的に知っているからですね。
ではマネジメントにおける「構造と作用機序」はなんでしょうか? これは以下の組織と人と社会のつながりについての問いを考える必要があります。
・集団の性質はどのように決まるのか
・なぜ目標を達成しないままでいることに甘んじてしまうのか
・上司から言われたことをやらない部下はなぜ発生するのか
まずはマネジメント層が組織と人と社会のつながりを理解するのが大切です。
ポイント2.組織の決まりごとを明示する
構造と作用機序を理解したあとは、実際に組織を回すため、組織を整える必要があります。第1歩が組織の決まりごとを作り、それを明示することです。
目的はメンバーの自由を奪うことではなく、むしろ迷いや不安のない環境を用意すること、そして、メンバーに所属意識と規律を発生させることです。
決まりごとがあることで「どうしてよいかわからない」や「これでよいのか」といった迷いや不安を発生させないようにします。迷いや不安は人間にとって大きなストレスであるとともに、パフォーマンスを低下させます。メンバーが増えれば増えるほど、この小さな積み重ねが組織のなかでは膨大な感情と時間のマイナスにつながってしまうのです。
また、私たち人間は同じ文化、風習、行動様式の人を仲間だとみなす性質を備えています。同じ決まりごとのなかにいることでメンバーに「自分はここにいてよい。自分もこの組織の一員なのだ」という所属意識を発生させます。
決まりごとを作ったら、それを徹底して守らせましょう。守ることができない人には守れるようになるまで指摘し続けます。こうすることで、管理職の指示はともかく実行するという環境づくりをするのです。
ポイント3.ポジションごとの「役割・責任範囲・権限」を明示する
サッカーや野球などのチームスポーツを思い浮かべてください。ポジションを設定するだけでは、選手は監督の狙いどおりに動いてくれるとは限りません。たとえばサッカーであれば、ポジションごとに攻撃時の役割、守備範囲、状況によって自分で考え動いてよい範囲を決めないと、監督の狙いどおりに動く確率、チームが勝つ確率は下がってしまいます。
会社組織であっても同様です。役職や肩書を設定するだけではなく、そこにひもづく役割、権限も規定する必要があります。
まとめ
土台ができたら、次はメンバーが成長できる環境づくりをする必要がありますが、まずは組織が機能的に動く土台作りのポイントを押さえ、実践しましょう。自身が率いる組織やチームの成果への第1歩となるはずです。
奥田 拓之
株式会社識学
営業1部 係長/シニアコンサルタント
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