ロシアによるウクライナ侵攻。世界経済への影響は?
■TOPICS
長期化するウクライナ侵攻
2022年2月24日、ロシア・プーチン大統領がウクライナ東部での「特別な軍事作戦」実施を発表。首都のキーウなどにミサイル攻撃や空爆が開始され、ウクライナ侵攻が始まりました。
同日中にウクライナのゼレンスキー大統領が「戦時体制」の導入を宣言。26日には、EUやアメリカ・イギリスなどがSWIFT(国際銀行間通信協会)からロシアの銀行を締め出すという制裁を行いました。
ロシアによるウクライナ侵攻は決着の目途が見えず、いまも争いが続いています。
現在進行形で世界情勢の均衡を乱し続けているのが、ロシアによるウクライナ侵攻。ロシアの一挙手一投足が、世界規模に影響を与えています。
戦争は、世界経済を大きく揺さぶります。ロシアによるウクライナ侵攻が世界にどのような影響を与えているのか、見ていきましょう。
ウクライナ侵攻はなぜ起きた?
ロシアによるウクライナ侵攻は刻一刻と状況が変わっており、さらに着地点が想像しにくいため、これからの経済に与える影響を想像することも難度が高い問題です。
その上で、現時点でわかっている限りでこの戦争のことを紐解いていきたいと思います。
まず、なぜロシアはウクライナに侵攻したのでしょうか? よく言われているのは、NATO(北大西洋条約機構)とロシアの対立という背景です。
■Nobby‘s point
NATOが目指すこと
NATO(北大西洋条約機構)とは、1949年にはじまったヨーロッパ及び北米の30か国による軍事同盟のこと。加盟国の領土・国民を防衛することを最大の責務としており、加盟国が外部から攻撃された場合の集団的自衛に合意。集団防衛のシステムを築いています。
日本は加盟していませんが、NATOは日本を含む非加盟国とも協力し、「世界の安全保障」の確立を目指しています。
ウクライナ侵攻の背景にある、根深い対立
第二次世界大戦までさかのぼると、ソ連とアメリカはもともと連合国としてともに戦っていました。
ドイツやイタリアが同一の敵で、もとは対立国ではなかったのです。しかし戦後、ソ連とアメリカは敗戦国・ドイツの技術者や科学者を取り合うことになります。これを発端として冷戦構造が生まれ、核や宇宙開発の分野で競争が激化します。
そして1955年、ソ連と東欧8か国が、NATOに対抗しワルシャワ条約機構を結成。これにより、二大軍事同盟対立の図式が完成し、ヨーロッパは東西に分断されることになりました。
NATOは1991年のソ連解体後、加盟国を拡大しました。ロシアは一貫してNATOの東欧拡大に反対しており、「次はウクライナ加盟か」というタイミングでロシアが侵攻したと考えられます。