実は中国より成長している⁉韓国経済の歴史と現状
中国の急激な経済成長の影に隠れがちですが、実は韓国も急激な成長を遂げた国のひとつです。GDPだけでなく、賃金も順調に上昇。着実に経済成長を進めています。
近年はK-POPなどの文化芸術分野でもめざましい世界進出を遂げています。読者の皆様にも韓国のアイドルやドラマ、映画などのファンが多くいらっしゃると思います。
私の世代の日本人から見ると、韓国文化の受け入れられ方がこの20年ほどで大きく変化しており、韓国の発展には驚かされます。
日韓を比較して見えてくる、過去20年の経済成長
韓国は、この20年ほどで一人当たりGDPがおよそ4倍になっています。2000年と2020年を比べると、3.85倍に成長。その間、日本はわずか3%しか成長していません。
ただ、これは名目GDPであり、物価上昇率は加味されていない数字です。
そのため、「4倍モノを買えるようになった」わけではありません。それでもこの成長率は凄いと言わざるを得ないでしょう。
知っておきたい、韓国と日本の経済政策の違い
日本と韓国の経済政策にどんな違いがあるのでしょうか。
◆日本の政策
2000年以降日本は、「円安誘導」を行いました。円安が進むと、ドル建てでは同じ売上げだったとしても日本円に換算すると利益が増えます。輸出企業の利益が増えたことで株価も上昇、良い循環が生まれたかに見えました。
ただ、円安になるということは原材料の価格が上がるということ。だからといって、日本国内の景気は悪いため、価格を上げることはできません。
利益が圧迫され、新たな投資が行いにくくなったことで、技術革新が停滞する羽目になりました。また、企業が円安効果に依存してしまったことでも、日本の競争力を低下させることになりました。
◆韓国の政策
一方の韓国政府はもともと輸出に依存する割合が高かったことから、韓国は技術革新を進めることを選びます。
2000年ごろには日本の半分ほどしかなかった輸出額は2008年ごろに日本とほぼ同じにまで拡大、同時に貿易黒字も増大、これがGDPの成長に大きく寄与したと考えられます。