国家の経済破綻! 日本がデフォルトする可能性は?
2009年10月、ギリシャ危機が起きました。ギリシャ政府が借金を返せない「デフォルト」という状態に陥ってしまったのです。2000年以降だと、ギリシャ以外にもドミニカやエクアドル、コートジボワールなどもデフォルトを起こしています。
理由や状況は国によって異なりますが、デフォルトが起きる一番の原因は「見通しの甘さ」。経済成長率を甘く見積もってしまったために経済成長による税収増が果たせず、借り過ぎたお金を返せなくなってしまったのです。
ここで気になるのが「日本もいつか借金を返せない状態になり、デフォルトに陥るのでは?」ということ。
日本の国債発行残高は、現在1,000兆円ほど。ギリシャがデフォルトを起こしたときの債務が43兆円ほどなので、日本のほうが桁違いに多いことになります。
またGDP比も、ギリシャは170%ほどだったのに対し、日本は200%超え。明らかに日本の状況のほうが悪そうです。
ですが結論から言うと、理論上日本がデフォルトに陥ることはありません。なぜなら、これまでにデフォルトを起こした国と日本とは大きな違いがあるからです。ここではギリシャと比較しながら考えてみましょう。
◆日本は自国の通貨を持っている
ギリシャはユーロ圏のため、ユーロ建てで債券を発行しています。そのため、“お金が足りない分、自国で勝手にユーロを刷る”ということができません。対して日本は日本円という通貨を持っているので、借り入れが日本円で行われている限り、日本銀行がお金を刷ることができるのです。
◆日本の国債を買っているのは日本人
ギリシャの国債を買っていたのは、多くが海外投資家や海外の政府・金融機関でした。対して日本国債は、国内勢がその約96%を買っています。日本政府の借り入れは、ほぼ国内で完結しているのです。
■Nobby‘s point
日本人は間接的に国債を買っている
皆さんは「国債なんて買った覚えないよ!」と思うでしょう。多くの方は銀行に預金をしていますよね。その預金をもとに銀行が国債を買っているので、私たちは“間接的に”国債を買っていることになるのです。
今後さらに借金が膨れ上がり、日本政府が破綻危機に陥ることはあるかもしれません。でも日本の国債発行残高1,000兆円に対し、国民の総家計資産は2,000兆円を超えています。そう考えると、プライマリーバランス(歳出と歳入のバランス)の改善は必要ですが、いますぐデフォルトに陥るという状態ではないと言えます。
DJ Nobby
経済キャスター、金融コメンテーター、ラジオDJ