日本の歳出、約2割が国債費!?
国の歳出のうち、国債費が占める割合は約24兆円。1990年と比べると、約1.5倍になっています。
1960年は、歳出のうち国債費にかける割合は1.5%ほどでした。それが現在は22.3%にまで膨らんでいます。社会保障費と国債費を合わせて実に歳出の半分を超えているのです。
さらにこの状況で金利が上がると国債費もどんどん膨らみ、国の財政が締め付けられることになります。
内閣府の試算では、経済成長に伴う金利上昇であれば国債費の増加以上に税収が増え、それによって財政赤字が縮小するとされています。ただ、現在起こっていることは経済成長に伴う金利上昇ではなく、現実は厳しいと言えそうです。
世界借金ランキングから見る日本
GDPに対する比率で見た世界の借金ランキングを見ると、日本は第2位。先進国ではアメリカにおよそ2倍の差をつけて圧倒的第1位となります。
借金の少ない国には2種類あります。1つは明確な基幹産業がある国。豊富な資源などの安定した収入要因があったり、基幹産業が金融業であったりと、産業構成に偏りのある国ほど借金が少ない傾向があります。もう1つは、国の規模が小さくあまり経済発展していないこと。そもそも借金ができないのです。
■Nobby‘s point
日本の危機的状況は、財務省公認?
借金ができるということは、信頼されているということでもあります。国債残高が1,000兆円もあるということは、ある意味“日本には1,000兆円の借金を支える国民がいる”ということ。それだけ、国民がちゃんとお金を持っているのです。
ただこのまま国債発行が増え続けると、どうしても「税金が上がる」という方向に行ってしまいます。
財務省が作っている「これからの日本のために財政を考える」というHPには、どれだけ日本が危機的状況かということが詳しく記載されています。おそらくIMF(国際通貨基金)からの圧力もあり、とにかく債務を圧縮したいのでしょう。
一方で日本の金利は未だに過去最低水準に抑えられています。金利が低いということはそれだけ信用力があるということですが、どこまでこの状態を保てるかは未知数です。このまま無尽蔵に国債を刷り続けることには大きなリスクが伴うことを理解すべきです。