ルクセンブルクが日本より小さくても裕福なワケ
■Nobby‘s point
日本より小さいのに、なぜルクセンブルクは裕福なの?
人口約60万人、神奈川県と同じくらいの面積しかない小国にもかかわらず、世界屈指の富裕国であるルクセンブルク。一人当たりGDPは11万8千ドルと、実に日本の3倍に上ります。
1970年初頭までルクセンブルクの経済をけん引していた鉄鋼業が石油危機以降不振となったことから、政府は法人税を大きく下げるなど税制改革を推進。
タックスヘイブン(租税回避地)としての地位を確立したことで外国から金融機関の誘致に成功、ヨーロッパの金融センターとして高年収の雇用が多く生まれ、平均年収が上昇しました。
そもそも、貧困の定義ってなんだ?知っておきたい「絶対的貧困」と「相対的貧困」
あなたは「貧困」というと、どのような状況を想像するでしょうか。
国連開発計画(UNDP)によると、貧困は「教育、仕事、食料、保健医療、飲料水、住居、エネルギーなど最も基本的なモノ・サービスを手に入れられない状態のこと」とされており、日本のように社会保障制度が充実している国はある程度恵まれた環境にあることになります。
ですが、2019年の厚生労働省による「国民生活基礎調査」では、日本国内で13.5%もの子どもが貧困で苦しんでいると公表されています。UNDPの基準から考えると、ちょっと腑に落ちない数字かも知れません。
そこで知っておいてほしいのが「絶対的貧困」と「相対的貧困」です。
「絶対的貧困」とはUNDPが示すように、今日食べる食料がない、寝る家がないといった、人間としての最低限の生活環境が整っていない状態のことを指します。
それに対して「相対的貧困」は、その国や地域での平均的な水準と比較して貧しい状態のことを指します。
より具体的に言うと、2019年の国民生活基礎調査によると、日本の等価可処分所得の中央値が254万円。その半分の127万円未満の世帯が相対的貧困に該当します。相対的貧困率13.5%という数字は、OECD平均の12.8%を上回っており、日本の貧困は深刻な状況であると考えられます。
DJ Nobby
経済キャスター、金融コメンテーター、ラジオDJ