(※写真はイメージです/PIXTA)

後継者難により「M&A」を選ぶ中小企業が増えていますが、M&A後、経営に行き詰まるケースも少なくありません。一体どうすれば成功させることができるのでしょうか? 相続に詳しい税理士・公認会計士の小形剛央氏が解説します。

日本電産会長が提言…M&A成功のための「3条件」

M&Aのありかたを考えるときに私がまず思い出すのは、日本電産の会長兼最高経営責任者である永守重信さんの考え方です。

 

彼は「M&Aの神様」とも呼ばれていますが、日本電産は「2030年度に売上高10兆円」を目標として掲げ、積極的にM&Aを繰り返し、これまで国内外で手がけた67社のM&Aをすべて成功させました。その背景には、「買収した企業の雇用を守り、誰も損をしない買収を心がけている」という永守さんの強いこだわりがあります。

 

永守さんは著書『永守流経営とお金の原則』(日本経済新聞出版)のなかで、「M&Aを成功させる3つの条件」として以下を挙げています。

 

・高い価格で買わない
・ポリシー(政策・方針)
・シナジー(相乗効果)

 

後継者不在の中小企業にとって、M&Aはとても魅力的な選択肢ではありますが、買い手となる企業が自社を成長させてくれるだけのしっかりした理念を持っているか、そして後継者となる人物がこれまで本章で解説したような条件を満たしているかを、慎重に見極めることが重要です。

 

※後継者となる人物の条件

■人間力が高いこと(知的能力的要素・社会/対人関係力的要素・自己制御力的要素の3つが総合的にバランスよく高いこと)

■中小企業の場合、社外からの採用でないこと

■カリスマ性よりも、和を乱さずチームワークを重視すること

 

『いきなり事業承継成功読本』(日刊現代、講談社)第5章166ページ~178ページからの一部抜粋

 

 

小形 剛央

税理士法人小形会計事務所 所長

株式会社サウンドパートナーズ 代表

税理士・公認会計士

 

2025年2月8日(土)開催!1日限りのリアルイベント
「THE GOLD ONLINE フェス 2025 @東京国際フォーラム」
来場登録受付中>>

 

【関連記事】

■税務調査官「出身はどちらですか?」の真意…税務調査で“やり手の調査官”が聞いてくる「3つの質問」【税理士が解説】

 

■月22万円もらえるはずが…65歳・元会社員夫婦「年金ルール」知らず、想定外の年金減額「何かの間違いでは?」

 

■「もはや無法地帯」2億円・港区の超高級タワマンで起きている異変…世帯年収2000万円の男性が〈豊洲タワマンからの転居〉を大後悔するワケ

 

■「NISAで1,300万円消えた…。」銀行員のアドバイスで、退職金運用を始めた“年金25万円の60代夫婦”…年金に上乗せでゆとりの老後のはずが、一転、破産危機【FPが解説】

 

■「銀行員の助言どおり、祖母から年100万円ずつ生前贈与を受けました」→税務調査官「これは贈与になりません」…否認されないための4つのポイント【税理士が解説】

 

※本連載は、小形剛央氏の著書『いきなり事業承継成功読本』(日刊現代、講談社)より一部を抜粋・再編集したものです。

いきなり事業承継成功読本

いきなり事業承継成功読本

小形 剛央

日刊現代

経営者にとって「最後の大仕事」である事業承継。しかし、「後継者が見つからない」という理由で廃業を選択するケースも増えており、無事に承継できたとしても、承継後すぐに経営が立ち行かなくなってしまう「失敗例」も多い。…

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録