一流企業、博識な人。だが結婚してみたら…
・どんどん高まる「光熱費の節約」熱
・「27度以下のボタンは無いと思え」
・コロナ禍で終日夫の監視下に
持続可能な社会のために、できることからコツコツと──と言えば聞こえは良いですが、実際のところ、中身はただのケチとマウント取りのハイブリッド。今回はそんなモラハラ夫のケースです。
保険会社勤務の夫とは、合コンで出会ったというL子さん(30歳)。知り合った当初から、夫は環境問題や社会問題について話すことが多く、普段ニュースを見たり新聞を読んだりする習慣のなかったL子さんは、さすが一流企業の人は博学で意識も高いと感心したそうです。
以前は派遣で事務員をしていましたが、結婚を機に家庭に入ることに。同居が始まると、夫はまずL子さんに光熱費の節約を言い渡しました。
「資源は無限ではない」を決まり文句に、使わない時には家電のコンセントを抜き、ペットボトルは洗って使い回し。夫いわく、ガソリンを使うと地球温暖化に影響があるらしく、夫の送迎以外の車の利用は厳禁。送迎時の運転も急発進や急ブレーキは絶対NGで、いかにガソリンを消費しないで運転するかを求められていたそうです。
風呂の残り湯を洗濯に使う夫のこだわりもL子さんには負担でした。毎月、水道光熱費をチェックし、高いと環境に悪いと怒られます。大変だと思いつつも、環境のためならと、夫に言われるままに過ごしていました。
夫婦で過ごす初めての夏。家事で汗をかくので、L子さんはエアコンを24度に設定していました。が、帰宅した夫はエアコンの設定温度を見て、「うちのエアコンには、27度以下のボタンは無いと思え」。それから「朝と夜は涼しいんだから、窓を開けて扇風機を使えばいい。そもそも人間の体には自然の風が一番なんだ」。
L子さんは驚きましたが、環境問題を話し出すと長いので、黙って受け入れました。ところが、本当の地獄は子どもが生まれてから始まりました。
冬の寒い日、暖房が満足に使えず、寒さで子どもが風邪を引いたことがありました。かなりの高熱で、医者にかかろうにも車の使用許可はおりず、L子さんは子どもを抱っこして往復40分かけて病院へ。
次の夏は猛暑でしたが、夫がいない昼間にエアコンを使いすぎると、電気料金でばれてしまいます。そのため、日が暮れるまで子どもと児童館やショッピングモールで過ごしたり、何かと理由をつけて実家に帰ったり、時には友人の家に避難したこともあったそうです。