人生、逃げたい時には逃げていい
ここまでさんざん、「イヤな仕事に就いてはいけない」ということをお伝えしてきました。しかし、これが意外と無視されてしまうのです。
なぜなら、みんなこう思っているからです。
「みんな働いて、生活していかなければならないんだから、イヤでもなんでも、仕方ないでしょ! 『イヤだ』なんて言っていられないでしょ」というやつです。
「仕事なんてそもそもイヤなものだから、どれでも一緒だよ」という声もよく聞きます。
でも、本当にそうでしょうか。そのメンタルのまま一生過ごすことは、果たして幸せなことなのでしょうか。
そこで、ぜひご紹介したい考え方があります。それは、「イヤなものからは逃げていい。しかし、代わりにどこかでリスクを取る」という考え方です。
ここでもまず、私の経験をお話しします。
私が、大学卒業があと1年に迫った大学3年生の終わり頃に考えていたのは、「働くのはイヤだ」ということでした。でも、ニートやフリーターになるのもイヤでした(当時は「ニート・フリーター」という言葉はありませんでした。確か「プー太郎」という言葉が、それに該当したと思います)。
そこで苦肉の策で出てきたのが、「大学院進学」でした。働くことから「逃げた」のです。
しかし、そこには立ちはだかる壁もありました。大学院に進学するためには、大学院入試の受験勉強(専門科目2科目と英語とドイツ語!)をしなければならないですし、合格したあとも、勉強をしなければなりません。
そこで考えたのが、就職と勉強で、どちらが「イヤじゃないか」でした。そして私の場合、就職するくらいなら勉強するほうが「イヤじゃないな」と思ったというわけです。
リスクを取ってでも、イヤじゃないほうにいくべき
当時、私は「Worse or worst, which is relatively better?」(「あまり良くない」と「最悪」、比較的マシなのは、どっち?)と考えました。私の場合、「勉強すること」がWorse(あまり良くない)で、「就職すること」がWorst(最悪)だったのです。
繰り返しになりますが、Best(最高)やBetter(わりと良い感じ)の仕事があればそれに越したことはないのですが、そういうものが見つからなくても、relatively better(比較的マシ)なWorse(あまり良くない)でも、それが見つかれば、そっちに進めばいいのです。
Worseは、訳すと「あまり良くない」となりますが、そこには「イヤじゃない」という要素も入っているはずです。「イヤじゃない」を直訳すると、Not so badですが、これは意訳すると「いいね!」になるのです。